2名の営業職が語る、「何でも売れる営業職になるには?」
2017年11月3日、営業職の方を対象としたイベントを行いました。
「何でも売れる営業職になるためには」をテーマに、2人の営業職のトークセッションを行いました。どんな商材を扱ってもきちんと成果を出せる営業職はいます。つまり、商材を深く極めている以外にも売れる要素があるということ。その要素を考えるために、様々な商材を扱う「営業代行」について考えてみよう、という視点で開催したイベントでした。
登壇者は
原 紀子さん(株式会社レイゼクス 取締役)
福山 敦士さん(株式会社レーザービーム 代表取締役)
イベントレポートの前編はこちらです。
営業に向いている人・向いていない人
原さんは「責任感が無い人。相手の立場に立てない人。情報量が少ない人は向いてないですね。向いているのは、相手の立場に立てる人。この人のためになりたいとかがないと想いを込めて営業代行ができない」と明快に教えてくださいました。
福山さんは「ビジネスが嫌いな人は営業に向いていないのかもしれませんが、向いてない人は基本的にいないです。向いてないと思いこんでいる人は多いですが」と教えてくださいました。
「営業というと、物を売りつけてお金をいただくと思いがちです。お金の話は、学生時代から学んできたわけではないからちょっと抵抗がある人もいると思います。自信がなくて”無料でいいです”と言ってしまう人もいますが、日常生活でも、例えば飲んだサプリメントが良かったら人に紹介しますよね。この人困ってるな、あるいは今後困るんじゃないかなということを気遣って解決策を提案するのは営業コミュニケーション。そこにお金が発生するかどうかの違いだけ。やっている動作は、相手の困りごとや、この先障壁になりそうなことを自分が気づいたら提案してあげる活動なので、日常のコミュニケーションと何も変わらない。向いてない人はいないと思います」
営業代行のココがやり甲斐・楽しい、ココがつらい
原さんからは「楽しいのはお客様からありがとうと言われること。つらいのは時間が足りないこと。弊社の場合、戦略考案などコンサル的な仕事もしているので、考えるとどこまでも行く。何をやるにしても時間が必要。やろうと思えばどこまでも準備ができるので時間が足りなくなるのがつらいですね」と明快な回答をいただきました。
福山さんからは「楽しいのは、自分を起点に、依頼者と、クライアントと、自分の収益がwin-win-winで全部上がることです。難しいのは期待値コントロール。1ヶ月で500万くらい売上を作った営業代行の案件で”福山さんならもっとやってくれると思ってました”と言われて契約を打ち切りになりました。設立間もないスタートアップ企業で、”とにかく売上を作ってください!”という依頼に向き合って、初月に500万円の売上をつくれたのですが、先方から”もう少しやってくれると思ってました”と言われて、そこまで期待値が高かったのか!と愕然とした思い出があります」
営業支援では「とりあえず頑張ります」では事故になりやすいため、「目標を定め、納品物を定め、現実的な数字などを示し、期待値を合わせることが大事だ」ということでした。
期待値コントロールについては原さんからも「大事さをすごく感じます」というご発言がありました。「営業代行の業界に入ったばかりのころは期待値を聞くことすら分からず、打ち切りになった理由もクレームをもらっている理由も分からなかったです。今は、会話の中でお客さんが求めていることを聞いています。それに対して足りてないならどうすればプラスになるか、どこまでできるかを考えます。また、できないことをはっきり伝えることも大事なので、目標に対してどこまでできますよというのを伝えるようにしています」
「期待値コントロールは、デメリットを伝えることです」と福山さんからありました。
「デメリットがないなと思ってもちゃんと考えて懸念を伝える。メリットとデメリットはセットじゃないと伝わらないんです」
営業代行はいくらくらい稼げる?
原さんの回答は「商材によります」
何千万円の物を売るのと何万円のものを売るのでは儲かる度合いが異なるためです。原さんの会社の顧客は少人数のクリエイティブ系企業が多く、仮に1件売れると数十万から百数十万だそうです。「それでも20代後半の同年代女性がもらっている収入よりはもらっていると思います。営業代行でお金を儲けようと思ったら商材に何を選ぶかもポイントになります」ということでした。
福山さんからは「この相談はよくもらいますが、学生から社会人になりたてくらいの若手ビジネスマンの人にはあまりお勧めしていません」という提示がありました。
「商材って野球でいうと球種みたいなもので、ストレートもちゃんと投げられないのに変化球に手を出してもダメなんです。ちゃんとした基本フォームができていない営業は相手の話をきかないのに”こんな商品あります!”って提案だけして、結果売れません」
「営業に必要な基本の動作は、聞く・話す・書く・読むの4つだけです。これが自社の商品でちゃんとできないのにほかの商品に手を出すと振り回されます。”不動産売った方が儲かる”と言ってそればかりやるのは本末転倒です。不動産会社に就業してやるならいいですけど、そういう人は不動産会社に行ってもまた別な商品を売ろうとします。まずは自分の会社の商品を売ることを繰り返した方がいいです」
何でも売れる自信ありますか?
原さんの回答は「ある。と言いたい。商材にもよるので一概には言えないが、どんな商材でも売るための集客や売るための戦略はこれまで何千件も自分で対応してきたので、あるにしたい」でした。
福山さんの回答は「あります。何でも任せてください。どんな商材も売ってきた実績があるからでもあり、お客さんの課題ありきで考えて、その課題に対して必要なものを売っていくことができているからです」という自信満々の一言でした。
何でも売れる営業職になるために
最後に福山さんからこんなお話がありました。
「日常生活でも、彼女とか奥さんがお腹が空いたって言ったら食事に連れていくとか、外に出たくないって言ったら宅配を注文しようとか、その人の課題に応える。身近な人の課題に応えていくのが営業コミュニケーション。そういう意味では、その人の課題を聞いて、応えていこうとすれば、その人に対しては何でも売れる関係になる。その前提が信頼関係だと思います」
「また、物を売るという軸でいうと発想の話です。紙コップを100万円で売って下さいと言われたらどうしますか?紙コップを100万円で売るのは非現実的です。原価数円のものなので。でも”この紙コップを使って手品をします。それを1万円で見せてあげます”といって100人集めたら一応100万円で売れますよね。こういう発想の転換だったりします。富士山の頂上で売っているカップ麺が1,000円くらいするように、同じサービスでも困っている度合いや売り方、状況によって物の価値が変わってきます。発想を転換するように癖づけするといいと思います」
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