営業の仕事において欠かせない「提案力」。断られない提案ができる営業職は、何が違うのでしょうか。商品を売り込んでもなかなかうまくいかず悩んでいる方、もっと提案力を向上させて成績を上げたい方に向けて、成果が出ている営業職のメソッドを5つのステップに分けて解説します。
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お話をうかがった方:平田 智志(ひらた さとし)さん 新卒で野村證券株式会社に入り、資産運用業務に従事しました。本業務の成績優秀者としてCEO表彰を受賞した実績があります。お客様と永く誠実に向き合える環境を求めて、金融業界の総合プラットフォーム事業を営む株式会社イコールワンに2017年5月に入社しました。入社初年に早速CEO表彰を受賞する活躍をしました。
平田:今回こうしたお話をさせていただくのは僭越かとも思いましたが、みなさまのお役に立てることがあればと思いお話させていただきます。
まず、提案営業とは、お客様の課題やニーズをきちんとお聴きしたうえで、最適な商品やサービスをご提案する営業活動のことです。
御用聞き営業は、既にお付き合いのあるお客様のところにお伺いして注文を取っていく形の営業活動です。酒屋さんが町内の家を一軒一軒回って注文を取っていくのをイメージいただけるといいと思います。
御用聞き営業はご注文をお伺いに行くことがメインである一方、提案営業はお客様自身でも気づいていなかった課題まで営業職が見つけ出して解決策を提示するものです。では、そのためのコツをひとつずつお伝えしていきます。
断られない提案のコツ①:アイスブレイク編
平田:うまくいく提案は、お客様に会う前の準備から始まっています。初めてお客様と会う時、どんなことに気をつけるといいのか、ポイントをお伝えします。
・お客様に信頼してもらう
・これでもかというくらいお客様のことを調べていく
・自分のビジョンを話す
・お客様の生い立ちや考え方を聞いていく中で、純粋に凄いなと感じたところを聴いていく
調べる際には、本当に様々なソースに当たります。帝国データバンク、決算書、会社ホームページ、その方が書いた本、その方のお知り合いなどに聞くなどです。決算数字など事実はもちろん、事業を通じてどういったことを実現したいと思っているのかという思いも見るようにしています。
お話を聴く時には、その人自身に興味を持つといいです。きちんとお話を伺い、お客様のことを理解して、自分の考えやビジョンも伝えます。最終的には「こいつは自分を裏切らないだろう」とお客様に思ってもらえるところまでしっかりとお話をします。
断られない提案のコツ②:ヒアリング編
平田:次に、お客様と話すときのポイントをお伝えします。
・お客様と目的を共有する
・キャッシュフローやバランスシートの全てをヒヤリングする
・各金融資産の保有目的を共有する
かなり突っ込んだデリケートな話題でもあり、聞くことをためらう方もいらっしゃるかもしれません。意外に思うかもしれませんが、アイスブレイクの段階で信頼関係ができていれば教えてくれます。なのでアイスブレイクの段階での信頼構築をしっかりやることがポイントになります。
私たちプロの営業は、モノを売ろうとしているわけではなく、そのお客様の役に立つための営業活動をしようと思っています。その場合、それらの込み入った情報を知らないと良い提案ができません。その信念を持っていれば、きちんと信頼関係を築いたうえで、こうした込み入った話題も聞いていくことができるはずです。
断られない提案のコツ③:提案・資料作り編
平田:提案の際の資料作りも、大事なポイントがあります。お客様にとっての「見やすさ、わかりやすさ」をとことん考えて作りましょう。
・視覚的に見やすくする
・論理的に筋道を立ててその順番で話す
・その人の目的に沿うように話す
何が視覚的に見やすいのかは人によって異なる場合もありますが、私の場合は、文字数を少なくすることと、出す順番が論理的な流れに沿うことに気を付けています。
お客様によって、耳障りの良い言葉が違います。
論理的な話と感覚的な話のどちらが浸透しやすいかも違います。
どういった話の組み立てや資料を提示する順番が一番ワクワクするのかも違います。
どんなことに関心があるのかも、想定ニーズも違います。
そういったことを加味して提案のストーリーを作ります。
地味で地道に思うかもしれませんが、そういったことにまで気を遣います。
資料作りは考えれば考えるほど終わりはありませんが、お客様のことを思うからこそ、こうした仕事にも時間と労力が必要になります。
断られない提案のコツ④:提案・話し方編
平田:提案の際の話し方にも注意してください。ポイントをお伝えしますね。
・小さなYESを取っていく
・相手に話を振る
・相手にワクワクしてもらう
・デメリットをカバーできる内容があることを話す
最も気を付けていることは、お客様に話を振って、同意や納得を得られているかを確認することです。
断られない提案のコツ⑤:クロージング編
平田:いよいよクロージングです。最後のポイントをお伝えします。
・お客様のどんな不安も一度受け取る
・それらに適切に対応していく
・お客様の疑問点や不安を解消し、納得していただいた上で任せていただく
・時間をいただいたことにお礼を伝える手紙を後日必ず送る
資料を準備して、商談に臨んでお話をしたら、クロージングをします。
商談中、お客様からは本当に色々なお声をいただきます。
そのひとつひとつに粘り強く丁寧に対応することを心掛けています。
最後の決断前の不安や質問事項をその場でしっかりお聞きして解決できるだけの知識を持っているかが問われます。もっと端的にいえば、どれだけ普段から勉強しているかの勝負です。
最後の決断前の不安に対して適切に対応するというのは、実際にやってみるとかなり難しいです。凄い量の知識をつけることと、どのようなお声をお客様からいただいてもそのたびにそれを分析することです。一朝一夕には身につかないことで苦しさも伴いますが、営業という仕事の奥深いところでもあります。
成功した数と失敗の数は同じなのです。
まとめ
平田:提案営業のプロセスごとにテクニックや心掛けをお伝えして来ましたが、最後はやっぱり「平田に任せたい」と思っていただけるかどうかに尽きるように思います。
お客様にそう思っていただけるためにどんなことに気を付けたらいいかを私なりに3つにまとめてみましたので、最後にご紹介したいと思います。
1、目の前のお客様の役に立つ
何よりも「自分が目の前のお客様の役に立つのだ」という気持ちを持つことです。医者の仕事に例えるならば、ひとりひとりの患者さんの悩みが本当はなんなのかをしっかり聴くことです。
2、知識をつける
知識量は責任だと思います。仕事を始めた最初の1、2年は勢いとコネクションで誰でも売れると思いますが、年齢が上がり仕事の経験年数を経れば、知識量が仕事への責任になるはずです。
3、ビジョンを持つ
お客様から見た自分がどうなのかという話に通じます。自分自身がどういう人になりたいのか・どういうことを成し遂げたいのかという夢がないと、明るく過ごすことはできないと思います。お客様は暗い人とは付き合いたくないと思いますので、自分自身が明るくいることが必要で、それには夢やビジョンが必要だと思っています。
冒頭にお伝えしたことと重なりますが、こうしたお話をさせていただくのは僭越かとも思いましたが、お読みいただいたみなさまのお役に立てれば嬉しく思います。
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