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副業解禁時代、営業職のこれからの働き方は(前編)

副業元年と言われる2018年。営業職として副業、パラレルワークを考える人も多いのでは。これまでの経験を生かして、どんな副業ができるのか。営業職に向いている副業とは。現役で活躍中の複(副)業コンサルタントとプロ営業に、それぞれの立場から聞きました。今日は前編として、複(副)業コンサルタント氏のご意見をご紹介します。

お話を伺った方:塚本 恭之(つかもと やすゆき)さん
企業やNPO等のコンサルティング、フューチャーセッション等のファシリテーターとして活動しています。企業に勤務していた時代から、組織外での活動の参画・主宰も経験したほか、プロボノ団体の理事や社外での対話の場を創る活動もしていました。東京商工会議所港支部会員、三鷹商工会経営相談員、中小企業診断士。ナレッジワーカーズインスティテュート株式会社 代表取締役、一般社団法人企業間フューチャーセンター代表理事。

営業職が副業をするメリット

今の営業現場で課題になっているのは、「自社の製品紹介にとどまっている」「顧客のアポイントのみに終始している」「顧客との関係性づくりができていない」ことだと聞きます。これは多くの場合、「自社製品を売る」という観点から思考が抜け出せていないことに原因があると考えています。

しかしながら、営業という仕事の本質は、
1:顧客の本質的な課題や興味を引き出すこと
2:営業職である“自分”こそが一番のセールスポイントになること
だと思っています。

副業を通じて本業の文脈以外のビジネス視点を会社を辞めることなく経験でき、本業にも相乗効果をもたらすことがあります

例えばある製薬メーカーでは、研究開発職の社員数十名が、副業として薬局に勤務することになりました。薬剤師の資格を持つ彼らが、実際の現場にどのようなニーズがあるのかを肌感覚で知るのが目的だそうです。顧客の本質的な課題を知り研究開発に活かすというねらいがあります。
同様に、営業現場の人が自社と違う組織や職務に就く形の「副業」は、自分の仕事の意味を、単なる「物売り」から「顧客課題の発見者」へと、捉え直すチャンスにする可能性があります。

副業により上記のような「顧客課題の発見者」の姿勢になれれば、単なる“製品サービスの説明員”を脱皮して、顧客との対話に重点が置かれるようになります。結果的に自身の対話のスキルが上がり、顧客の“よき理解者”となり、自身の魅力も上がる可能性を秘めています。このことが、冒頭の課題をクリアすることに繋がります。つまり、営業職としての力をつけていくうえで副業が役に立つことがあるということです。

副業で、自社での日々の業務以外のアウェーな体験をすることは、結果的には人間力を深めたり、思考の幅を広げたりすることに役立ちます。或いは本業を少し違う角度に見るようになることで、視点が変わり余裕が生まれたりすることもあります。
顧客やその課題に寄り添う態度になることで、人間力が増し、結果として営業活動にも良い効果が生まれるのではないでしょうか。

本業をやりながら副業をする際の注意点

なによりもまず「自身の成長のために副業をする」ことを念頭にすることです。自分のキャリアを見据えた形で副業ができれば、それに勝るものはないでしょう、例えば、保険の外交員が中小企業の経営者のコーチや経営のコンサルティングをするような場合がこれに当たります。

副業であるからこそ、「なぜその仕事なのか?」「自身のキャリアに活きるのか?」を検討して、多少失敗したとしても良い経験になるチャレンジングな選択のほうが良いと思います。

株や投資のように主に金銭目的での副業もありますが、自身の成長と関係がない、あるいは新しい視点や学びがない類いの副業は、お小遣い稼ぎの域を出ることはなく、「未来の自分への投資」には結びつかないと思われます。

副業とフリーランス、どちらか迷ったら

日本でも最近は、減税や取引面での待遇改善など、フリーランスの働き方を支援しようという動きがニュースになっています。しかしまだまだフリーランスの認知度は低く、組織を辞めて直ちにフリーランスとして働くには、収入面も含め課題が多いと思います。

他方、フリーランスで働くメリットとしては自身の力を試せる時間の自由度がきくなど組織に属することでは得られない利点があります

そのような観点から、副業するのであれば本業とは別の企業に勤務する副業ではなく、会社勤めしながら起業する副業がベターだと思います。例えば終業後の時間や休日などを使い、中小企業やNPOなどを「手伝う」のがその一例です。生活面や組織人としての安定を持ちつつも、自身の興味やキャリアなどを考えた、少しチャレンジングな副業を行うことをオススメします。副業をやるには自分のキャリアをしっかり見つめていく準備作業が大切です。

これからは、ひとつの会社の営業をやる時代ではない?

営業を、「顧客の課題発見」活動、「自身の全人的魅力を上げるもの」であると仮定すれば、1つのモノやサービスを売るのではなく複数のバリエーションがつくれるようなものを売るのが自身の提案力を上げることにつながると思います。また、BtoB企業の人は副業ではBtoCやCtoCに行くなど、異なる業種業態の営業を行うことも、自身の見方が変わり、ビジネスパーソンとしての成長につながります。

他方、営業は企業のサービスなどを紹介するため、機密情報に触れることもあります。どこまでを知って営業に活用するのかなど、情報漏えいには気を配る必要があります。複数の業態や業種・営業先を持って活動すると、情報の取り扱いのノウハウが蓄積できます。そのことが自身の成長に役立ちます。企業側も情報の取り扱いに慣れている営業職と仕事をすることで「自社の機密事項がばれる」などの心配も無用になり、その結果が互いに好結果につながるWin-Winな関係にもなります。

「営業」という1つのジャンルでも、扱うモノやサービス、業種や顧客によって大きく変わるものです。副業で多様な営業を経験することは、営業を本職にしようとする方も、あるいは経営者や別の職種につきたいと考える方にも、メリットがあると思います。

▼後編では、プロの営業職の方に「副業」についてうかがいました
副業解禁時代、営業職のこれからの働き方は(後編)

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