副業解禁時代、営業職のこれからの働き方は(後編)

副業解禁時代、営業職のこれからの働き方は(後編)
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副業元年と言われる2018年。営業職として副業、パラレルワークを考える人も多いのでは。これまでの経験を生かして、どんな副業ができるのか。営業職に向いている副業とは。現役で活躍中の複(副)業コンサルタントとプロ営業に、それぞれの立場から聞きました。 今日は後編として、プロ営業のご意見をご紹介します。

(前編の記事はこちら「副業解禁時代、営業職のこれからの働き方は(前編)」)

お話を伺った方:菊池 明光(きくち あきみつ)さん
新卒で株式会社リクルートに入社した後、35歳で早期退職制度を利用して退職しました。ベンチャー企業2社での就業を経て、営業戦略の策定コンサルティング・提案資料の作成代行・営業代行活動等のサービスを提供する株式会社可視化を創業。クライアント組織が既に蓄えているがきちんと整理できていないナレッジや特長などを可視化することを得意としています。

営業職が副業を考える時のヒント

「副業」というもの自体は手段に過ぎません。なぜ副業をするのか何を得たいのかという目的を明確に意識することが有意義な副業をするためには欠かせません

目的を考える時にこの図を参考にするといいかもしれません。

図

横軸は「副業で得たいもの」を表します。得たいものを「お金(収入UP)」に置くのが右側、「成長」や「スキルアップ」に置くのが左側、とします。縦軸は上に行くほど今の自分のスキルに満足をしていることを示しています。

例えば私は「自分のスキルに満足していてお金がほしい」ので、右上の象限に入る人間ということになりますし、「スキルの幅を広げて成長したい」「自分のビジネスの幅を広げたい」という人であれば左下または左上の象限に入ります。

この図を頭に入れて自分の副業の目的を最初に考えることをお勧めします。ここを明確にしないと、営業力があって稼ぐために副業したいという人がなぜか、ライターやデザイナーなど営業とは異なるスキルを必要とする、成長を志す方向性の副業をしてしまったりします。

効率よく稼ぐ私の思考法

営業という活動は、扱う商材に違いがあったとしても、手順や動作自体はある程度同じ場合が多いです。営業の副業のメリットは、手順も動作も同じであるため、すぐに始められ、普段の活動と同じことをして収入が増えることです。

もちろん、違うことをやるタイプの副業もアリですが、目的の設定や捉え方次第で何を副業に選ぶかの最適解が変わります。だから目的を最初に考えることが大切なのです。

私自身は「ワンリソースマルチユース」ということをいつも意識しています。同じ商材を複数の異なる顧客に提案する、1顧客に複数の商材を提案する、といったやり方のことです。これを徹底しているため効率良く稼ぐことができています。

私は現在自分の会社を起業してその枠組みの中で「ワンリソース・マルチユース」を徹底していますが、どう効率よく働くかや、本業と副業をどう両立させるかを考える際にも同じことが言えると思います。

その観点から言うと、「稼ぐ」副業として一番難易度が高いのは、本業が営業なのにライターの副業をやるなどの事例です。「営業職」と「ライター」では必要な技能が全く異なるうえに、活動時間が分解されるためです。

営業職の副業1:営業力を活かした営業代行

営業代行は副業に向いています

そもそも「営業力を活かした」という言葉は2つの意味に分解することができます。
1、自身の顧客網を活かした
2、自身のスキルを活かした
この2つが両方あると、より早くより多くの稼ぎを生み出すことが可能です。

営業職として働いていればそのどちらかは身についているはずですので、それを活用して営業代行を行えればいいと思います。一番いい動き方は、本業の顧客に対して本業の商材と副業の商材を両方提案することです。1商談で複数の提案ができるので効率が良いです。

この時に気を付けなければいけないのは、本業の会社と副業の会社が両方とも、そのような営業活動を行うことを承諾しているかどうかということです。良しとする会社と禁止する会社があるため、事前に確かめておく必要があります。

なお、顧客網や人脈を持っている人は、モノを売る営業代行だけでなく、人材を紹介したり、複数のビジネスをつなげたりする仕事を行うこともでき、業務にバリエーションが出ます。

営業職の副業2:企画力を生かした提案書作成代行

提案書作成代行が副業に向いているかですが、本業を邪魔しない空き時間にやるならいいのではという印象があります。業務を完了するまでにそれなりに時間が必要だからです。

業務的には、提案資料だけを作るのか、企画自体を作るのかによって、難易度も単価も異なります。当然ですが、企画自体を作る方が難易度は高く、単価も高くなります。

企画自体を作る業務ならば、その分の報酬はきちんともらうべきです。具体的な価格はケースによって異なるものの、例えば副業レベルでも1企画で10万円~20万円は発生すると思っています。

提案書を作る業務ならば、要件やデータ、画像素材などをきちんと共有してもらったうえで作成することになります。

こうした業務は、営業職のなかでも企画営業の仕事に従事している人に向いているものになります。普段企画や提案書といったものを作っているからです。

営業職の副業3:若手営業職への教育

人材教育を行った経験がある人ならば副業として向いていると思います
「何を教えるのか」「そもそもの課題は何か」といったベースのコンセプトの設定からやる必要があるため、そのレベルから対応できる人がいいです。

教育の経験がある人であればそのまま横展開すればいいですし、教育コンテンツを作れるならば作って販売するというやり方もあります。

「副業したいけど時間が無い」への対策

ワンリソースマルチユース型の働き方は効率よく稼げるということは先ほども言いましたがこの考え方は副業をする時間を作るためにも役立ちます

例えば1商談の中で同一顧客に本業の商材も副業の商材も提案するという営業ができれば、同じ1時間の中で本業と副業が同時にできることになります。

本業の時間と副業の時間を分けて別々に確保することを考える人が多いですが、その思考だと「副業をやる時間ない」というところに辿りつきます。同時にやることでこの問題も解決できます。

それでも時間が足りなければ

独立して自分で活動するというやり方もあります
本業を持ちながら就業する副業と異なり、フリーランスになればより自由にやりたいことに時間を使えるようになります。時代的にもフリーランスという働き方が注目されるようになってきており、前よりも働きやすくなっているのではないでしょうか。

フリーランスになって時間ができた場合、その時間を顧客の創造のために使うことが最も大事です。

図

顧客の人数×顧客単価で売上が決まります。売上の面積を広げるためにどちらにより時間を割くほうがいいかと言えば、顧客の人数を広げることです。つまり、横軸を伸ばします。

また、商材を仕入れることも重要です。1顧客に複数の商材を提案できる方が良いからです。1回の商談でいくつも提案ができるととても効率良く活動することができます。

本業一本でいく、本業と副業を両立する、独立して働くなど、考えられる選択肢は複数ありますが、限られた時間を最大限有効に使うためにどうすればいいかということは共通の課題になるはずです。とりわけ、副業やフリーランスはハンドリングが難しいことがあります。やるかやらないかの決断、時間の使い方の考え方などに関して、ご紹介した考え方が少しでも参考になればと思います。

▼前編では、複(副)業コンサルタントの方に「副業」についてうかがいました
副業解禁時代、営業職のこれからの働き方は(前編)

▼ 副業・フリーランスという働き方に興味があるなら
営業職からの提案を求めている会社があります 

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