営業の転職やキャリアアップにおすすめの資格、1つだけ選ぶなら何?

営業の転職やキャリアアップにおすすめの資格、1つだけ選ぶなら何?
LINEで送る
Pocket

営業職としての転職やキャリアアップを考えたとき、「何か資格を取ったほうがいいのだろうか…」と考えたりしませんか?
営業の仕事への評価は、持っている資格ではなく数字で現れる結果が全て。そう思われている方もいらっしゃると思いますが、資格を取ることで知識の幅が広がることは、今後のキャリアにとって損はないはずです。
今回は、現役の営業職が選んだ「営業の転職やキャリアアップにおすすめの資格」を、その理由とともに解説します。

お話をうかがった方:営業職歴7年 Aさん
フリーランスの営業マネージャー。新聞社系出版社と年商1,000億円規模の東証一部上場企業で就業したのち、独立し現在に至る。会社員時代は広告営業、マネージャーとして部門内のKPI策定、全社の組織改革や中長期計画の策定、100億円規模の予算や戦略の策定など、数字を基にした戦略立案とマネジメントを多数担当してきた。現在もその経験を糧に、複数の営業プロジェクトを統括している。

1つだけ選ぶなら、会計数字の知識が身につく資格を

簿記・ビジネス会計検定

もし、1つだけ資格を選ぶとするなら「簿記」をおすすめします。
営業職の方は基礎的な会計数字を知っているといろいろと有利になります。そのための資格としては、まだまだ簿記が知名度的に人気です。ビジネス会計検定といったものもありますが、年齢層が上の方へのアピールとしては、まだ弱い資格かもしれません。

いくつか、会計数字がわかるとよい、おすすめの理由をお伝えします。

1.交渉の時に有利

例えば、営業にうかがう前にどんな会社なのか調べておくことは必須だと思いますが、その中でもIR資料から決算資料財務三表(貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書)などまで読み込んでおくと、交渉の時に有利に働きます。財務三表を読めることで、営業先の事業モデルや課題を知った上で交渉ができ適切な商材を売り込めるでしょうし、営業先にも「ほんとに自社のことをよく勉強してきたな」と好感ももたれます。

2.自身の営業予算スケジュールが立てやすくなる

また、そもそも営業先の会計数字を事前に読めることで適切な商材を営業しているのか、商材を購入できる予算があるのかなどのおおよその事前把握も検討がつき、自身の営業予算スケジュール予測も立てやすくなると思います

3.他の営業職と差がつけられる

例えば、広告営業なら広告予算なども会計資料からざっくり把握しておくのも必須でしょう。1億円の提案、1,000万円の提案、それぞれが提案先でどれくらいの予算比率になるのかなど。営業先の広告予算がいくらなのかは、簿記やビジネス会計検定などの資格を持っていると理解しやすく、売るだけ商材知識だけの営業職に差をつけられるでしょう。これは私の実体験でもあります。

4.マネージャーには必須の知識!早めに勉強すれば昇格にも有利

営業職でも職位が上になり、マネージャーになると所属部署の全体のPL(損益計算書)を任されるようになりますし、その時に営業利益とは?売上利益とは?と理解していることは必須の知識になります。それこそ、営業成績はダントツのトップでもないのに数字を読めるということでマネージャーになったり、という登用もあり得ます。

また、営業部門のマネージャーになると他部署のマネージャーとの横の連携が求められます。他部署とは経理もそうですし、制作部門、事業企画、経営企画営業部門と密接な関わりができ部門長会議などもあります。その時には基礎的な会計数字が読めなければ会議にも支障が出ます。
余談ですが、東証一部上場企業の営業マネージャーにもできていない人は実際にいて、会議の生産性を下げてしまっているという事例さえもあります。

5.フリーランスとして独立するにも必須

フリーランスとして独立するなら、売上の管理はもちろん、会計帳簿の作成、確定申告を行っての納税や、条件が揃えば消費税の徴収と納付なども自らやらなければいけません。

また、法人格を取得して法人名義で取引をする場合もあります。年商が1,000万円近くなってくれば法人名義で会計処理をするほうがいいですし、顧客先によってはこちらが法人格を持っていないと取引を行えないこともあるからです。そういった場合は、営業職であると同時に自身の会社法人の経営者でもあります。事業の存続に関わる事柄でもあるため基礎的な会計や帳簿作成の知識は必須と言えます

▼簿記について、詳しくはこちら
日商簿記検定 – 簿記 | 商工会議所の検定試験

▼ビジネス会計検定について、詳しくはこちら
ビジネス会計検定試験 | あらゆるビジネスパーソンの仕事に活きる!

独立やフリーランスを視野に入れるなら、さらにレベルアップ資格も

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家になるための国家資格です。少しレベルが高いものになります。ある一部の方にはおすすめという言い方がいいかもしれません。おすすめ理由は主に2点です。

1.新卒採用時に有利になることがある

中小企業診断士を持っていると、企業の経営課題や財務状況などがきちんと把握できるようになります。投資を行う金融機関などには非常に喜ばれる資格でもあり、採用に有利になることが考えられます。

2.営業職からコンサル職へのキャリアが広がる

営業職からコンサル職へキャリアを広げたい方も、持っておいて損はない資格ではないかと思います。

・営業職から、経営企画や戦略部門へキャリアアップする場合
営業職から、営業マネージャー、その後、経営企画や戦略部門、とキャリアアップをしていくと、営業から事業全体をみたり戦略立案に関わることになります。そうした場合には、必要になってくる知識だと思います。

・営業から、独立してフリーランスになる場合
単なる「モノを売る営業」ではなく、「企業の戦略策定、営業戦略などもできる営業」とアピールできるので、独立してもやりやすいと思います。

▼中小企業診断士について、詳しくはこちら
中小企業診断士試験 – 中小企業診断協会

その他のおすすめ資格

その他、営業職で持っている方が多い資格をいくつか紹介します。業界によって変わってくるので、ここはご自身の関わる分野に応じて選択してみてください。

FP(ファイナンシャルプランナー)

保険や不動産業など、個人の資産状況などを考えて営業する場合は提案のレベルが上がりますし、発言の信頼度も上がります。

▼FPについて、詳しくはこちら
ファイナンシャル・プランナー(FP)とは | 日本FP協会

TOEIC

単純に、営業できる範囲が日本語圏だけではなくなり、対象が広がるという点でおすすめです。語学は、若いうちに勉強しておくとアドバンテージがあると思います。

▼TOEICに今すぐ申し込むなら
テスト日程・申込|TOEIC Listening & Reading Test

宅地建物取引主任者

不動産業界では、宅地建物取引行法で『ひとつの事務所において「業務に従事する者」5人に1人は宅建所持者を置くこと』が義務づけられています。一般的に不動産業界だと宅建取得すると資格手当がつきます。不動産業界だと、営業事務の方が取得していて営業職の方は取得していないケースもありますが、持っている方も多数います。

▼宅地建物取引主任者について、詳しくはこちら
宅建試験|不動産適正取引推進機構

ビジネス実務法務検定

営業職に限らず、あらゆる職種で必要になる実践的な法律知識を学ぶことができる資格です。契約書関係の時などに力を発揮しますね。

▼ビジネス実務法務検定について、詳しくはこちら
ビジネス実務法務検定試験® | 公式サイト – 東京商工会議所検定試験情報

kokoroe編集部より

以上、営業職の方におすすめの資格を紹介しました。まずは、会計数字の知識が身につく資格からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
みなさんが転職やキャリアアップ、または独立してフリーランスへの転向を考えられた時の参考にしてみてください。

▼あわせて読みたい
営業職としての年収、アップさせるにはどうすればいい?

▼ リモートOK!副業・フリーランスという営業の働き方に興味があるなら
日本最大級の営業支援プラットフォームkakutoku

LINEで送る
Pocket

営業ノウハウカテゴリの最新記事