LTVやCRMを見据えた営業手法とは?クライアントから選ばれ続ける営業の極意

LTVやCRMを見据えた営業手法とは?クライアントから選ばれ続ける営業の極意
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kakutokuで成果を出し、活躍されている営業職の方にお話を伺うインタビューシリーズ。今回は営業代行会社「シーアンドエイチコンサルティング合同会社」代表の渡辺克也さんにお話しを伺いました。

渡辺克也さん
新潟県新潟市生まれ。サラリーマン時代はコールセンターアウトソーシング企業、広告代理店にてIT業界から小売業、サービス業、官公庁案件まで様々な業種や団体に向けて売上向上や顧客満足向上のためのサービスなどを提供。営業兼マーケティングを担当し、紹介やWEBサイトなどのインバウンド営業と、コールセンターやDMを活用したアウトバウンド営業を効果的に組み合わせた営業戦略にて100社以上の新規クライアントを獲得。
2014年にシーアンドエイチコンサルティング合同会社を設立。また、2015年より中小企業診断士としても活動を開始し、売上20億未満の会社を中心に経営コンサルティングを実施。
現在ではカスタマーサクセスやCRMの考えを元に、クライアントとの長期つながりを目指した営業活動を提唱し、リピート率の高い営業体制の構築支援を行っている。
また国が提供するビッグデータを可視化したシステムの開発プロジェクトに携わった経験をもとに、思い込みではないデータを共通言語として活用した地域課題抽出、課題から政策立案の支援などをテーマに、30カ所以上での研修や支援を実施している。

【会社ホームページ】https://candhc.com/

シーアンドエイチコンサルティングについて

編集部:貴社概要、事業内容について教えてください

渡辺さん:2014年に設立し、現在7期目になります。

主な事業は
①営業の戦略や戦術などの全体設計を行うコンサルティング業務
②ターゲットのリスト作成、テレアポやメールなどによるリード獲得、顧客訪問から受注までのアウトソーシング業務
の2つです。

クライアントは人材・広告・IT業界が多いですね。単純に「テレアポ○件お願いします」という依頼よりも、「売上が足りないので新規開拓をしたいが、何から手をつけて良いのかわからない」「売上目標を達成するために、営業代行にかける適正な予算がわからない」といったところからご相談いただくケースがほとんどです。

企業活動全体から適切な営業支援を設計

編集部:貴社の得意な営業手法について教えてください。

渡辺さん:事業計画の作成から営業戦略・戦術の策定、営業の実働部分まで一気通貫で対応できるのが当社の強みです。

継続的な新規開拓営業が出来るよう、ターゲットの考え方を整理しながら、規模や業種に合わせた個別アプローチで営業を実施しています。

編集部:中小企業診断士を取得されていると伺いました。その知識も営業活動に生かされていますか?

渡辺さん:そうですね。企業が初めて営業代行を依頼する際、「○円でアポ○件を取ってください」というような相談のされ方をすることが多いんです。

しかし商材が違えば、売上高、購買頻度、継続期間、粗利率は異なります。また、アポからの受注率などを考慮せずに件数だけを追ってしまうと、売上アップにつながらないケースもあるので企業毎に営業のシミュレーション設計が必要だと思います。

その会社にとって適切な数字がいくつなのか、企業活動全体の中から営業支援の位置付け、適正な予算や効果などを提示することで、納得感を持って営業活動を開始することができます。

編集部:たしかに、営業代行の適正価格は企業や商材によって異なりますよね。渡辺さんが執筆された「BtoBにおける新規開拓コスト」という記事は営業代行の費用を考える上で非常にわかりやすかったです。

渡辺さん:実際にお出しする提案書には、企業の課題に対して自社が貢献できること、またその投資分の費用対効果を明示するようにしていますね。

仮に勢いで受注できても、蓋を開けてみて違った、ということであればクライアントと長期的な関係性は築けないと思っています。

単純なテレアポやメールを利用した新規開拓営業であっても、受注後のCRMやLTVを意識した営業活動を行っています

現在7期目なのですが、5年以上お付き合いのある会社が3社あります。

編集部:それはすごいですね。

カスタマーサクセスやCRMを意識した営業活動


編集部:クライアントから貴社が選ばれ続けている理由について詳しく教えていただけますか?

渡辺さん:「課題解決型でのアプローチ」による、営業先のミスマッチの抑制と受注後の継続的な関係づくり」を徹底した営業活動を提供しています。

例えば「とりあえず会いましょう」というアポと、相手の課題が聞けて、何に困っているのかが事前にわかっているアポでは、受注までのスピードや角度が全然違うんです。

予めトークスクリプトに課題が聞けるような設計をしておいて、万一「そういう課題では困ってないです」と言われた場合でも、異なる角度から質問することで、お客様が抱えている悩みやお客様自身が気づいていない課題を引き出すことができます。

編集部:単なるアポ供給ではなく、質の部分も重視されているということですね。

渡辺さん:そうですね。例えばシステム系の商材だと、受注理由に「この機能があったから導入しました」というような回答が多いんです。

お客様は何を求めていて、何があれば導入するのかをヒヤリングの段階で具体化し、そこだけは絶対握るように営業から伝える必要があると思っています。

そういう部分にはこだわりをもってやっていますね。

得意な業種について

編集部:貴社が得意とする業種について教えてください。

渡辺さん:人材・広告代理店・ITシステムです。ある程度WEBやマーケはやってきたんだけど、泥くさい営業はやったことがない、というクライアントが多いですね。

これらの業種に共通するのは、「競合との差別化がしにくい」という点です。

編集部:確かに、人材や広告代理店は売っているものが似通っているケースが多いですよね。プロダクトに競争優位性がないと、新規開拓営業は難しそうです。渡辺さんはどのように営業支援をされているのですか?

渡辺さん:業種やターゲット属性によって都度設計していますね。時間はかかりますが毎回同じスクリプトを使い回すのではなく、個別に設計しています。

例えば広告代理店の新規開拓営業の場合、「弊社は広告運用もできて、映像制作もできて、サイトも作れます」というアプローチをしがちですが、それだとアポが取れても、とりあえず会社説明に行って「何かあればお声がけしますね」という流れで終わってしまうことが多いんです。

実は1個に絞った方が相手も話を聞いてくれるし、課題も聞き出しやすい。課題が聞けているだけで、持っていく提案の質が異なり、結果的に受注サイクルも早まります。

同じソリューションを提供する場合でも、ターゲットごとに考え方を整理したり、角度を変えてアプローチすることでデータを蓄積し、検証しながら進めています。

実績について

編集部:渡辺さんのkakutokuでのご活躍は編集部の耳にも入っています!これまでの営業支援実績についてお伺いできますか?

渡辺さん:これまでの営業支援実績は以下になります。

【広告代理店】 2020/3-5月の事例
■内容:新規ターゲットに向けた営業支援
■従業員:〜100名
■課題:既存のルート営業でリソースがいっぱいで、新たな取り組みの方法、またが攻め方が分からない。
■施策:LTVの観点で効果の高い業界、規模をヒアリング。その上で自社がアプローチ出来ない領域を中心にリストを作成し、ターゲットに合わせた細かいトークスクリプトを構築。月間2,000件のメールDMと、月間500件程度のテレアポを実施。
■成果:メールDMにて、月間3社(0.15%)ほどのリードを獲得、内、月間1社獲得(100万円程度の商材)。
テレアポにて、月間10社(2%)ほどのリード獲得。現在リードナーチャリングを実施中
【クラウドファンディング支援企業】 2020/4-5月の事例
■内容:新規ターゲットに向けた営業支援
■従業員:〜20名
■課題:紹介や問い合わせの対応で事業を行ってきたが、さらなる拡大のため、リードを獲得したい。
■施策:リスト業界における事例を集約し、あらゆる課題に対応出来るスクリプトを構築。月間100-200件のテレアポを実施。
■成果:テレアポにて、月間3-5社(3%)ほどのリード獲得。内、月間1社獲得(100万円程度の商材)
【人材紹介向けの求職者集客支援企業】 2020/3-5月の事例
■内容:リードに向けた提案営業
■従業員:〜20名
■課題:問い合わせやメールDMでリードを獲得しているが、さらなる拡大のため、中型〜大型案件の受注を増やしたい。
■施策:リード管理の方法論を模索し、初回訪問から継続提案の頻度など確度に応じて設計。また、サービスの費用対効果を明確にするため、提案書の一部改修を実施。
■成果:10社ほどのリードに対し、提案営業を実施。内、1社獲得(60万円/月 ※年間720万 程度の商材)
(その他の営業支援実績)
人材紹介企業  営業戦略策定支援
フリーランス人材マッチングシステム企業  新規開拓営業支援
BPO企業  チャネル構築/新規開拓営業支援
システム開発企業  新規開拓営業支援
イベント企画企業  ターゲット戦略/リスト作成
OA機器/ネットワーク構築企業  新規/既存顧客営業支援
マーケティングシステム販売企業  新規開拓営業支援
生命保険企業  新規開拓営業支援
AI営業支援ツール企業  新規開拓営業支援
ペットボトル製造企業  WEBシステム構築支援
災害リスクコンサルティング企業  営業戦略策定支援

今後の展望

編集部:貴社の今後の展望について教えてください!

渡辺さん:ターゲットに対する各種営業の分析を元に、データに基づいた営業戦略の立案を行っていきます。

営業を外注するのであれば、ノウハウが自社でも使えるものでないと意味がないと思っています。どんなに営業外注で成果を出しても、「この人がいたからたまたま売れた」では属人的になり、クライアントと自社、双方にとって長期的に良好な関係性は築けません。

営業活動をする上で、データがあると検証ができます。数字をクライアントと一緒に見ながら、売れる方法を一緒に作っていくーーその土台があれば、たとえ今回のようにコロナで世の中の状況が変わっても、勝ち筋を見つけられるようになります。時代や状況は変わっていくし、絶対上手くいく永続的なメソッドはそもそもないので、その時に合ったものを模索し続けることが大事だと思います。

お客様と一緒に成長できるような会社にしていきたいですね。

kokoroe編集部より
渡辺さんのkakutokuでのご活躍は社内でも耳にしていましたが、その背景には徹底的な事業理解とデータに基づいたターゲット設計、LTVやCRMを見据えた営業手法があることがわかりました。質の高いアポイント/商談獲得はもちろん、「自社に最適な新規開拓方法がわからない」「営業外注の適正価格が知りたい」といった場合もぜひご相談してみてはいかがでしょうか。営業支援のご相談はこちらよりお気軽にお問い合わせください。

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