姫野 有美(ひめの あみ)さん 1982年生まれ。結婚式場所属のウェディングプランナーをはじめ、これまでにいくつかのお仕事に就業されています。2013年10月にフリーランスとして独立し、nanairo-weddingを立ち上げました。フリーランスのプランナーだからこそできる自由な発想とスタイルを強みに結婚式を提案しています。また、toi styleの商号で営業職のコーチとしてもご活躍されています。
姫野さんは後輩を教えるのが下手だったそうだ。
今は自分なりの育成方法を身に着けている。
姫野流の育成ノウハウを聞いた。
考えて失敗を克服できれば新人もどんどん活躍できる
とにかく聴く。
問いを投げる。
このスタンスはどう身に付いたのだろう。
「経験したから。失敗を」
姫野さんも営業職としてたくさんの失敗を経験してきた。
自分のできていないところを知るには、たくさんの実践をしたほうがいい。
「失敗してもいいけど、その経験から得られるものは今後に活かせるよう、ちゃんと振り返るという事をマスト化しています。責任を持たせる意識や経験を与えるためにも、新人はたくさん現場に出た方がいいと思います」
新人を起用して失敗が続くと現場に出さなくなる。
「会社側はちゃんと振り返らせてあげないと、成績を伸ばす方法もわからなくなる。指導する時間がないことを理由にして、後回しにすれば会社の成績や人材が育たないというツケも回るし、営業職は自信を失い、潰れますよね」
失敗してもいいと姫野さんは考えている。
「失敗しても喜ばれるために、選ばれるために何ができたか。それを考えるのが大事。考えることは、ほんと大事」
分解すれば何をやればいいかが分かる
姫野さんが思う「考える」とはどんなことだろう。
うまくいったことはなんだろう?
その理由はなんだろう?
うまくいかなかったことはなんだろう?
その理由はなんだろう?
どの原因はなんだろう?
どうすれば解決できるだろう?
まず、何からやれるだろう?
こうして、次の接客までにできることを挙げる。
「これを繰り返していけば、振り返り方や考え方が分かってきます」
“考える”という言葉ひとつでも、ここまで分解できる。
「できない人は何をやっていいか、どんな考え方をすれば良いのかが分からなくて困っているものです」
漠然としたモヤモヤを分解する。
具体的に何をやればいいかを1つずつ作ってあげる。
「分解し、考える力が身についてくれば、必然的に他の人に教えられる力もついてきますね」
自分ごとに落とし込むと教えられるようになってくる
「そもそも私は教え方が分からなかったんです。”なんで分からないの”というスタンスの冷たい人間でした」
後輩の分からないことが分からなかった。
「一緒に仕事をやっているなら分かるよね、という発想。今考えたら、とっても冷たい人でしたね」
来た球を打ち返したらヒットになるタイプの人だ。
「私は感覚人間なので自然とお客様に喜ばれて契約に至る、みたいな感じで。本当に売れない子は本当に売れない。こうすればいいよって言っても売れない」
売れないことが姫野さんには全く理解できなかった。
「売れないことについて分かるようになったのは、売れない子に興味を持ち、分析をたくさんしたからですね」
その子はどうすれば、楽しくなるだろう。
どんな応援をすると、安心するだろう。
今できていることは何だろう。
今できていないことは何だろう。
自分に問いかけてみた。
すると、大事なことや、営業の考え方論に結びついてきた。
自分の言葉で書き出したり、体感しないと教えるのは難しい。
「話を引き出すのはもともと得意でしたが、なぜ引き出すのが得意なのか自分でも分からなくて」
聴き方にもポイントがある。
それを理解できれば誰でもできる。
大切なポイントを知るまでにいかないと教えるのは難しい。
姫野さんの気づきだ。
最適解を導き出すためには?
「でも私の営業方法の成功例はあまり言いたくない」
なぜ?
「私のやり方だから」
姫野さんの人柄だから行ける。
他の人はもっとガツガツ行ったほうがいい場合もある。
もの静かにいった方がいい人だっている。
「その人の個性によって変わるし、世の中がこれだけ変化しているので、これまでの正解や私のやり方が良いというのはないですよね」
人によってやり方の最適解が違う。
自分に合うやり方はどうやって見つけるといいだろう。
「大切なことは、自分を知ること。自分が得意なこと、苦手なこと、周りから褒められること等を知った上で、どの要素を活かしたいか、お客様にとってどんな存在になりたいのか、と本人の言葉で発していると、自分の営業スタイル確立に結びついていきます」
姫野さんはこうやって、相手に気付かせるのが得意だ。
「全部逆算です。ゴールから逆算。まず一緒にやるのはゴール設定」
ゴールを決めて、そこから質問が始まる。
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