福山 敦士(ふくやま あつし)さん 1989年生まれ。株式会社レーザービームの代表取締役として、経営コンサルティング事業(BtoB)とキャリア教育事業(BtoC)を営んでいます。どちらの事業も「短期で成果を出す」ことにフォーカスしています。経営コンサルティングは短期で売り上げを作ることを主眼として営業支援を実施。キャリア教育事業は「学校で学ばないけれど社会で求められる力をつける」というコンセプトで営業スキルを学ぶ機会を作っています。
福山さんは、出会った人みんなに出世してほしいと思っている。
そのために自分ができることを考えている。
前編でお聴きした課長さんのお話、どうやって喜んでもらったんだろうか。
自分が全部揃えて、その人が揃えた体で出す
「社内の構造を聞いて、どこに通せばいいですか。何個ハンコ必要なんですか。ここ通すために必要な書類はなんですか。ここ通すために必要なデータはなんですか。全部揃えますって言って、自分がそれを全部揃えて、その人が揃えた体で出す」
福山さんは、工夫したことをこんなふうに教えてくれた。
「その時は満足してもらおうっていうよりは、出てきた課題をとにかく全部潰していくっていうのに必死だったですね」
24歳の時の仕事だ。
そこまで必死になれたのはどうしてなんだろう。
「その人に最大限手渡せるメリットが何なのかが定義できたからでしょうかね」
福山さんがした提案はコストカットに関するものだった。
提案が実現しても相手自身のプラスにはならない。
「でも人が動く理由は自分にメリットがあるかどうかでしょう」
ここでも本質を突いてきた。
「提案を通してもらうために自分が最大限手渡せるメリットはこの人が出世することだ、と途中で気づいたんです」
相手に動いてもらうためのメリットをしっかり考えて、できる最大限をやっている。
基本的なことだけれど、安定継続するのは難しい。
自分事にしてもらえるように提案する
人は自分事じゃないと動かない。
福山さんがたくさんのアポを通じて得た至言だ。
「経営者が話が早いのは、会社が自分事化されているから。すぐに決断できる」
でも誰しもがそういうわけではない。
「だからより問題にフォーカスして、御社がこうなった方がいいですというよりも、あなたの部署が、あなた自身が、というふうにしていくともっと動いてくれる」
人を動かす秘密がここにありそうだ。
24歳のときに既にこんな洗練された言葉で語っていたんだろうか。
「そういうわけではないです。でも言葉にする努力はずっと続けているので、今の言葉にはなってないけれど、なぜうまくいったかは日々振り返りはしていました。恥ずかしいんで見返すことはしないですけど」
振り返る。見返す。
言葉の違いを意識できることも大事。
やる気はスピードでしかない
課題を潰していったときはとにかくスピードを大事にしていた。
「がんばります!やりましょう!って言っても、その日のうちにアウトプットが出るかどうかでけっこうやる気があるかどうかは測れるかなと思っています。やる気がありますと言っても行動がすべてだし、その行動はすべてスピードに集約されるなって思います」
こんなふうに評価って決まる。
一生懸命やること以外が苦手
一生懸命ってつらい。言い訳できないから。
福山さんはそれを地で行っている。
絶対言い訳しないで一生懸命愚直に進んでいる。
「逆なんです。僕は一生懸命やることが得意でそれ以外が苦手なんです。ふざけるとか遊 ぶとか楽しんでやるとかが苦手なので仕方なく『巨人の星』の星 飛雄馬的な道を選んでいます。その生き方が今のところしっくりきてるので、そう思い込んでいます」
一番自分にフィットする在り方をもう見つけている、とも言える。
「大枠は見つけてますね。まだ改善は必要ですけれど」
学校で学ばないのに社会で求められるものを届けたい
いま新たな商品やサービスを扱うなら、福山さんは何をやってみたいんだろう。
「金融商品ですね」
即答食い気味で返ってきた。
「全般。不動産、保険、証券。全般やりたいですね」
意外といえば意外な感じがする。
「お金のことって、学校では学ばないのに、卒業したあとはみんな関わらなくちゃいけなくて、ここが色んな問題の発端になってるケースが多いなって思うんですよ。僕はまだ資格がないのでまず営業コミュニケーションからですけど、ファイナンスは8月に生まれるわが子には死ぬほど詳しくなってほしいなって思ってるくらいなので、扱うなら金融商品を扱って、売りながら学びたいなって思います」
やってみたいことも尽きない。