代表のキャリアから紐解く、営業代行と営業支援の違い

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(左から)カクトク認定パートナー松村氏・木戸氏

今回はカクトク認定パートナーであり、営業代行会社を経営する木戸氏と松村氏に、起業までの経緯や営業支援・営業代行事業のやりがい、マネジメントなどについて話を伺いました。

木戸氏
豊田通商(株)でキャリアをスタートし、その後(株)メタルワンに転職し、約10年間、国内外の企業を相手に新規顧客開拓営業に従事。豊田通商時代には米国に駐在し、30名規模のマネジメントも経験。その後、(株)アスラボで事業責任者や採用責任者を兼務し、資金調達や事業の立ち上げ、アライアンス先の開拓やフードテック領域のシステム開発に携わる。その後、中小企業にて人材紹介事業や病院再生事業を立ち上げた後、独立。現在は(株)WELLDECにて取締役を務めスタジオや整骨院の経営も行う。1984年大阪府豊中市生まれ、2003年土佐塾高等学校卒業、 2008年関西学院大学法学部卒業。
松村氏
(株)ビジネスコンサルタントの法人営業職でキャリアをスタート。 その後オリックス(株)ベンチャーキャピタル事業子会社および本社グローバル事業部門、セガサミーホールディングス(株)国内外リゾート事業開発関連部門などを経て、ベンチャー企業2社にて複数の新規事業およびPJ企画作りから営業まで最前列で実行。 2017年海外進出コンサルティングを行っていた父の遺志を受け継ぎ当社を継承。 1978年大阪市生まれ、1997年立教英国学院高等部、 2001年同志社大学工学部卒業、2003年同大学院工学研究科修士過程修了、 2005年英国ブリストル大学大学院理学修士課程修了

2人の起業までの経緯

ーまずはこれまでの経歴と、営業支援事業を始めたきっかけを教えてください。

木戸:私は新卒で総合商社に入社し、石油やガス開発に関わる貿易業務をしていました。アメリカのヒューストンに駐在したこともあり、そこで2年働いた後に競合の総合商社に転職。当時から起業する意思はあったものの、いきなり起業する勇気がなかったため、ベンチャー起業でNo.2を経験した後に起業をしました。

営業支援を始めた理由は、事業内容を考えた時に「自分に何ができるか」を考えた結果です。自分ができること、得意なことは「新規開拓」で、商社でもベンチャーでもマーケティングやセールスをしていました。その経験やスキルを活かせる事業として営業代行・支援を始めたのです。

松村:私は新卒で教育研修の会社に入社し、どぶ板営業からキャリアをスタートしました。その後、VCや総合エンタメ、リゾート開発の会社を渡り歩き、大手企業もベンチャー企業も経験し、ベンチャー企業では事業の立ち上げも経験させてもらいました。

もともと30代で独立するのを目標にしていたのですが、結局腹をくくって独立したのは40歳の時です。営業代行事業をするつもりではなかったのですが、自分の経験や強みを活かせる仕事を考えたら、結果的に営業代行事業でした。それまで様々な会社や職種を経験し、どんなビジネスモデルでもお客様目線で考えられるのに加え、営業と投資のシミュレーションをしてきた経験を活かせると思ったことが理由です。

これまでのキャリアが営業支援に活きていること

ー起業までの経験が、今の仕事に活きていると感じる部分はありますか?

木戸:ベンチャー企業でNo.2をしていた経験は、ベンチャー企業の営業支援をしている時に活きていると思います。ベンチャー企業では毎日PDCAを繰り返し、トライ&エラーをするのは日常茶飯事です。経験がなければ、今のようにクライアントを支援できていなかったかもしれません。

大企業で働いていた経験は、大企業向けに営業する際に活きています。大企業での働き方や決裁の仕方もイメージでき、付き合い方を理解しているのは強みです。

松村:私も大企業とベンチャー企業の両方で働いた経験が、今の仕事に活きています。大企業では数ヶ月先まで予定が決まっていて、その通りに進むのが一般的です。しかし、ベンチャー企業では昨日言ってたことが、今日違う話になっていることも珍しくありません。

そのような文化は組織に混乱を生みやすい一方で、小回りが利きよりよいサービスを作れるというメリットもあります。起業前にベンチャー起業で働いていたからこそ、今ベンチャー企業を支援できていると思います。

組織作りで意識していること

ー営業チームの組織づくりで意識していることを教えて下さい。

松村:営業は半分は個人プレー、半分はチームプレーでする仕事なので、個人の力を発揮しつつも組織として活動できるよう意識しています。そのため、仕事をお願いする際には、責任感やチーム意識があるかを見てお願いしています。

普段から、それぞれのメンバーがどんな仕事が向いているか観察し、得意な仕事を頑張れるように意識しながら仕事を振り分けていますね。最近はマネージャーを任せられる人もいますが、それまではすべて自分一人でマネジメントしていました。

ー一人でマネジメントしていた時の苦労はありますか?

松村:一人ですべてマネジメントしていた時は、1日24時間動いているような感覚でした。自分でアポをとって商談し、メンバーの成果も気にしていたので、気が休まる暇がありませんでしたね。

このままではスケールできないと思って、マネジメントできる人や事務などの細かい作業をできる人を採用したのです。それから気持ちがとても楽になりましたし、新しいことを考える余裕もできました。

ー木戸さんも組織づくりで意識していることがあれば教えて下さい。

木戸:私はあまりバックグラウンドを気にせず採用しているので、多様な人が働いています。20代前半のインターンもいれば、大手企業で働いていた30代の方、主婦の方もいればオペラ歌手もいます。私はもともとアスリートのセカンドキャリア支援をしていたこともあり、誰もが活躍できる場を作りたいと思っていたので、今のようなダイバーシティな組織が出来上がりました。

ー現在は木戸さんが一人で全員をマネジメントしているのですか?

木戸:数ヶ月前まではすべて自分で見ていましたが、このままでは自分が潰れると思い、できるできないを問わず、メンバーの2人にマネジメントをお願いしています。もちろんミーティングなどには私も参加しますが、日々の細かいマネジメントはおまかせしています。

弊社ではメンバーの日々の成果を見ながら、フィードバックして軌道修正しているので、それをすべて一人でやると本当に時間が足りないんですね。以前は2~3時間しか眠れない日も当たり前で、日中に眠くなる日が続いていました。

営業支援のやりがいと苦しさ

ー営業支援をする中で、どのようなやりがいを感じていますか?

木戸:ベンチャー企業や中小企業の中には、いいサービス・商品を持っているにも関わらず、セールスのノウハウやリソースがなくて成長しきれない企業が多いんですね。そういう企業に私がノウハウを提供することで、素晴らしいサービスや商品が世に普及するのは大きなやりがいだと思っています。

スタートアップのお客様が多いのは、そういう想いが背景にあるからです。

松村:私も木戸さんに近い想いを抱いています。VCで投資をしているときに、優れた技術を持っているにも関わらず、営業できずに成長できない企業をたくさん見てきました。そういう会社を自分のノウハウやスキルで支援することで、優れた技術を持つ企業が日の目を見れるようにしたいと思って日々仕事をしています。

ーお二人とも、会社勤めから起業していますが、背中を推してくれる出来事などはありましたか?

木戸:私は起業する前の会社で、配置転換があったのが大きなきっかけです。私がやりたくない仕事をするよう社長に言われたので、勢いで「辞めます」と言ってしまったんですね。もともと独立は考えていたものの、本当に何も考えずに口に出してしまいました。

計画的に起業できなかった私から言わせてもらえば、起業に必要なのは勢いだと思います。

松村:私は副業で営業代行をした時に「これくらい稼げるんだったら生きていけるな。こういう生き方もありだな」と思ったのがきっかけです。今はカクトクを使って継続的に仕事をいただけていますが、もしカクトクがなければ続けていたかわかりません。

この仕事は常に新しい仕事を取り続けていかなければいけないので、常に新規案件を受注できる仕組みというのは非常にありがたいです。

ー常に新規の仕事を探さなければいけないと思いますが、精神的に苦しいと思ったことはありませんか?

松村:起業する前は、病気になることなんてほとんどありませんでしたが、独立してから不眠や体調不良になることが増えましたね。健康が取り柄だと思っていたので、知らないうちに精神的に削られているのだと思いました。

木戸:精神的に苦しいわけではありませんが、資金がショートしそうになって焦ったことはあります。お客さんの報酬の支払い遅れがいくつか重なり、自分たちの支払いができなくなりそうになったことがあったんです。その時は何度も通帳の残高を確認しましたし、黒字倒産するかと思いました。

「営業代行」と「営業支援」の違い

ーお二人は「営業代行」と「営業支援」をどちらもされていますが、2つの違いをどのように認識していますか?

松村:営業代行は、営業プロセスの1部分だけを代行する仕事なのに対して、営業支援はより広い業務を支援して成果に繋げることだと思っています。

お客様によっては代行だけをお願いされることもありますが、リソースの少ない会社では営業活動全体の支援を頼まれることも少なくありません。支援をする際に私が心がけているのは、私たちがいなくても売れる仕組みを構築することです。

そのためには「たまたま売れた」ではなく「売れた理由を説明できるように」様々なデータを交えて仕組み化していきます。私自身が分析するのが好きなので、ターゲットリスト一つとってもグラフを作って、どんな傾向が見えているのか可視化して説明しています。実際に私が支援した会社では、架電する先の属性を変えて売上を伸ばしたお客様もいます。

木戸:私にとっての営業代行は、飽くまで作業を代行すること。営業支援はお客様の会社の一員となってハンズオンでコンサルし、成功に向けて伴走することです。

取引を始める際には、お客様の意向を聞きながら、代行だけでいいのか、支援が必要な場合にはどんな支援が必要なのか話し合っています。支援の方法が決まったら、お客様と話しながら、改善すべき箇所を探していますね。

ー最後に、より成長したいと考えている小さな営業支援会社に、メッセージをお願いします。

松村:メンバーを大事にしてあげてください。営業代行事業は、人海戦術なので、そこをわかってやることが大切だと考えています。そのために優秀な人に来てもらわなければいけませんし、定着してもらわなければいけません。

経営する側としは、お客さんを大事にするのと同じようにメンバーを大事にするのが重要です。

木戸:私が伝えたいのは、業務委託のパートナーをしっかり活用すること、そしてメンバーの教育をしっかり行うことです。この仕事をしていると、案件によってはどうしても自分たちだけではできない仕事もあります。そういう時に一時的に手伝ってもらえるパートナーとの関係を築いておくことが重要です。

そのためにカクトクを使って、副業人材などを探すといいのではないでしょうか。また、自社のメンバーの教育は必ず行ってください。しっかり人材が育つ仕組みさえできれば、自然とお客様の満足度も上がるはずですから。

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