電通時代に鍛えられた発想力が今も営業活動にいきている。

電通時代に鍛えられた発想力が今も営業活動にいきている。
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桂 雄人アラン(かつら ゆうとあらん)さん
1991年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、大手広告代理店の株式会社電通に入社し、デジタル部門・クリエイティブ部門に勤務しました。その後、保険代理店の営業職への転職を経て、保険代理店のA&A Consulting株式会社を共同創業し、取締役COOに就任しました。現在は、代表取締役社長。同社を創業してから数年は、徳島県徳島市に本社を置く贈答品事業者のMMHグループにも携わっていました。

アランさんは柔軟な発想力を発揮して営業している。
(詳しくは、前回のインタビュー記事「二足のわらじで活躍する20代営業職が語る、見方を変えることの意義。」でご覧いただけます)

その発想力の原点は新卒で入った電通での経験だという。
電通時代のことを聴いた。

衝撃だった先輩の言葉

「あるとき先輩に”ルンバってなんだと思う?”と質問されました。自分は”お掃除ロボット”と答えたのですが、先輩は”コミュニケーションツールだよ”と言ったのです」

さすがに意味が分からないと思ったそうだ。
「先輩曰く、ルンバの価値を”掃除すること”に置いたら他にも色々な競合商品がある。だが、ルンバがあることで掃除をしなくてよくなる。その時間を”家族と過ごす時間”に充てることもできる。だから、”ルンバはコミュニケーションツールともいえるでしょ”と言われたのです」

アランさんには衝撃的な出来事だった。
「そういう見方もできるのか、これは面白い発想の仕方だなと思いました」

桂 雄人アランさん写真

電通を選んだきっかけ

電通でやっていたのはこのような発想でアイデアを生む仕事だった。
「だいぶトレーニングされました。より高いところから俯瞰してみる。常識の中にクリティカルなアイデアを差し込む。その経験が今も活きていると思います」

そもそもなぜ新卒の就職先に電通を選んだのだろうか。
「学生時代は弁護士を目指していましたが、法曹の世界は自分の戦うべき分野じゃないのかも、と悩んだ時期がありました」
そのころ”カンヌ広告祭”というものに偶然巡り合う。
「カンヌ映画祭の広告バージョンといえばイメージしてもらえるかもしれませんね。そこに行って、たくさんの優れたCM作品を見てたった数十秒の動画なのに映画をみたとき以上に感動して、広告業をやってみたいと思い、電通を受けました」

広告代理店はCMをこう作る

アランさんは広告の考え方は不思議だという。
「クライアントが新しい携帯電話を発売して、”ここにホームボタンがついているのが最大の強みです”と言ってくるとします。広告を作る側はクライアントの要望をそのままCMにはしません。例えば自社の抱えているモニターに、匿名で、商品のことを明かさずに意見を聞いてスコアを取ります。すると買う人と買わない人でスコアの差が大きい所が分かります。そのデータに基づいてクライアントに対して”ホームボタンを推していらっしゃいますが、購買意欲のある人は横の消音ボタンを意識していますので、消音ボタンにフォーカスしたCMにしましょう”とクリエイティブを提案します」

アランさんは続ける。
「理にかなった深い分析があって、そのうえでアウトプットを最大限面白い表現に工夫する仕事だったので、非常に楽しい日々でした」

桂 雄人アランさん写真

広告代理店を選んだもう1つの理由

「自社の商品しか扱えないというのは嫌でした」
お客様にとってベストなものは必ずしも自社のものだけではないと思っている。
広告代理店なら、色々な業種の会社と付き合いができる。
自社商品しか扱えないという縛りもない。
「そういう関わり方ができるのは魅力的だと思ったのもあります」

転職を決断した理由

そこまで思って入った電通を、3年目で転職する決断をする。
「非常に優秀な先輩たちに囲まれて仕事をしていました。成長できる幸せな環境でしたが、アイデアの溢れる先輩が毎日周りにいる。絵コンテも描けない、コピーライティングもできない、そんな自分の実力不足をすごく感じ、何か得意な領域を作りたいと考えていました」

その時期、保険会社の広告を担当していた。
「保険業界は、広告出稿量が多い業種です。保険の知識をつけたいと思っていました。自分自身も保険に入っていたものの、よく分からないままでは今後クライアントの担当なんでできないな、と」
保険業界や保険商品の勉強をしたいという動機が芽生えていた。
「当初は休職して保険会社で働いてまた戻ることも考えたんですが、自分が思い描いていた休職制度と異なり、希望するキャリアが実現できそうになかったので、思い切って転職しました」

桂 雄人アランさん写真

営業という仕事に初めて触れる

転職して入った保険代理店でも電通的な考え方をしていた。

「社会人になってから保険の営業は何回か受けたことがありました。”保険入ってますか?”から始まって、”必要なお金はこれくらいです。あなたも入った方がいいんじゃないですか?”と言われるのが一般的でしたが、前職の保険代理店のやり方は違いました」

保険に関する”おしゃべり”から始まる。
「”おしゃべりみたいなやり取りの中で相手のニーズを顕在化させていくのが保険の営業の一番の醍醐味だ”と言われたのです。面白いと思いました」
それまでは、欲しいと思っている人に売りに行くことが営業だと思っていた。
「それは単純な作業で、営業ではない。自分の身に万が一のことが起こったらという想定をリアルにしてもらって、”確かに保険は必要だな”と思ってもらうのが保険の営業です。転職した最初にそれを学びました」

kokoroe編集部から

広告代理店から保険代理店への転身。初めて経験する保険の営業の仕事にも活きる広告代理店の思考法。どういう環境を選んで移っても、結果を出して活躍し続けられる人は過去の経験と知恵をきちんと使い続けているという当たり前の姿勢を再確認させてもらいました。弊メディアを運営するkakutokuにも、企業に所属する営業職として活躍したのちフリーランスに転向した方が多数登録し、クライアント各社の営業活動を支援する機会を待ち望んでいます。営業に課題のある企業のご担当者様はkakutokuの利用をご検討ください。

▼あわせて読みたい、桂さんのインタビュー記事はこちら
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