保険の営業職としての価値観に変化をもたらした忘れられないエピソード2つ。

保険の営業職としての価値観に変化をもたらした忘れられないエピソード2つ。
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桂 雄人アラン(かつら ゆうとあらん)さん
1991年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、大手広告代理店の株式会社電通に入社し、デジタル部門・クリエイティブ部門に勤務しました。その後、保険代理店の営業職への転職を経て、保険代理店のA&A Consulting株式会社を共同創業し、取締役COOに就任しました。現在は、代表取締役社長。同社を創業してから数年は、徳島県徳島市に本社を置く贈答品事業者のMMHグループにも携わっていました。

忘れられないエピソードがある。
その経験がアランさんを保険の営業職としてより進化させた。
何があったのだろうか。

東京では知らなかった違う現実

徳島で最初に保険を扱った時のことだ。
「東京とは事情が全然違いました。東京でやっていた保険の仕事は、大手企業の資産運用に興味が強い方々に、万が一の時の保険というよりは金融商品を売っているイメージが強かったんですが」

徳島の事情は東京のそれとは異なる。
生活形態も金銭感覚も違う。
「自分が話した方々は年金生活者や母子家庭の方もいらっしゃり、東京のオフィスビル街だけでお会いしていた方々とは異なる保険の提案が必要でした」

東京で普段やっている提案がなかなか刺さらない。
「月々3,000円の保険料が限界ですというお声もありました」
それまでの提案方法からはガラッと変えなくてはいけなかった。
「それでも、万が一の保障ということを考えたときに、相手にとって最適なものを提案しなきゃとかなり悩んだのを覚えています」

少ない金額でも当然きちんとしたプランを提案する。
大きい金額なら理想のプランを提案する。
「そう考えてどちらも同様のモチベーションではやっていましたが、資産運用だけではなく、保障の提供というのも大事だなと体験をもとに再認識しました」

桂 雄人アランさん写真

同じ商品を異なるマーケットで提案する

東京のオフィス街にいては知ることのなかった現実を目の当たりにした。
そのときどんなふうに感じたのだろうか。
「小手先の話じゃなくなりました。東京での営業提案はテクニック論に傾倒しかけいていましたが、そういうものがまったく通用しなくなりました」

それでも、扱うものは同じ保険だ。
「本当に必要なものは何かを見定めていかないといけない、という話から入るようになりました。それが保険なら保険、それ以前に貯蓄なら貯蓄、という具合に。保険の提案ありきという話し方はしなくなりました。同じ保険の営業でも、マーケットや地域が違うとこんなにも苦労するのかと思いました」

潜在的なニーズを顕在化する

苦労と戸惑いはあっても、最適な提案をした。
勝手が違う場所でベストな提案ができた理由はなんだったのだろうか。
「思考の部分だと思っています」

自分の考え方を伝えた。
共感してもらえた。
「保険はこれくらいしか払わないものだと思っていたけど、話を聴いて、この保障にこれくらい出してもいいと思った」
そう言ってもらえた。
お客さんの保険に対する理解や見え方が変わった。

「商品ありきではなく、自分の保険への考え方を伝えるようにしています。そこに共感いただけたらお申込みいただけている感じです。潜在的なニーズを顕在化できたらこういう結果につながります」

(そんな桂さんの発想力の原点は、前回のインタビュー記事「今も営業活動に活かしている発想力を鍛えられた電通時代の思い出。」でもお話しいただきました)

桂 雄人アランさん写真

圧倒的な自分事感を獲得したある出来事

「また別の話ですが」
アランさんのお世話になっている方に、保険の給付金の支払いが発生したことがあった。
その保険をアランさんが取り扱っていた。

「保険に加入したのが5月頭で、給付金の請求の発生が9月半ばでした」
がんだった。
がんの場合、加入から90日間保険がおりない規定がある。
「もし8月中にがんだと言われていたら、お金は1円もおりませんでした。9月に入っていたので1,000万以上の支払いができました」
瀬戸際のタイミングだ。
「冷や汗をかきましたね。90日経ってなかったらお金は1円もおりないので。そのうえ、前の保険も切り替えて解約していたので、一歩間違えば本当に洒落にならない状況でした」

0円なのか、1,000万円なのか。
誰が見てもこの差はすさまじい。
「それまでは大きな給付が発生したことがありませんでした。なのでそこまで責任を実感する瞬間はありませんでしたが、その経験をして、価値観が変わりました」

どのような変化があったのだろうか。
「万が一の時のことをより現実的に考えるようになりました。保険のセーフティネットがない人たちは万が一働けなくなった時にどうなってしまうんだろうか、とか」

桂 雄人アランさん写真

自分事感を持って臨む営業

「前は、働けなくなったらこれくらいお金が足りないですが、この保険ならこうやってカバーできますよ、といった話をしていました。最近はかなり具体的に”今もし働けなくなったら、本当にどうします?”といった質問をしながらやり取りをします。リアルに考えていくとお客様はみんな真剣になる。ニーズの顕在化が起こる瞬間です」

アランさんは続ける。
「保険は誰にでもあったほうがいいと思っています。ですが以前は、聞きたい人にだけ話をすればいいと、話す相手を自分が勝手に振り分けていました。今はそういうことはしませ ん。みんなに話してあげないと、何かが起こって自分がお見舞いに行くことになった時に、顔を合わせられないと思うようになりました。”なんで保険やってるのに俺に話に来てくれなかったんだよ”なんて冗談でも言われるのは絶対イヤです」

保険を売っていることはしっかりアピールしている。
保障は必要ですよねという話もしっかりとしている。
「今まで以上に気持ちが入って話ができるようになりました。あの経験で熱意や使命感がいっそう強くなりました」

▼あわせて読みたい、桂さんのインタビュー記事はこちら
過去の経験を振り返り今につなげられれば唯一無二の価値ある人間になれる。
二足のわらじで活躍する20代営業職が語る、見方を変えることの意義。
今も営業活動に活かしている発想力を鍛えられた電通時代の思い出。 

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