二足のわらじを履いた20代営業職が語る、見方を変えることの意義。

二足のわらじを履いた20代営業職が語る、見方を変えることの意義。
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桂 雄人アラン(かつら ゆうとあらん)さん
1991年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、大手広告代理店の株式会社電通に入社し、デジタル部門・クリエイティブ部門に勤務しました。その後、保険代理店の営業職への転職を経て、保険代理店のA&A Consulting株式会社を共同創業し、取締役COOに就任しました。現在は、代表取締役社長。同社を創業してから数年は、徳島県徳島市に本社を置く贈答品事業者のMMHグループにも携わっていました。

東京の保険代理店と、徳島県の商社。
アランさんには、2つの会社で異なる事業を展開していた時代がある。
商圏も商材もまったく異なる2つの事業を両立していた。その日々について聞いた。

1ヶ月の半分くらいは徳島にいました。

「役員をしている保険代理店の本社は東京です。保険業に割いている時間の方が長いですが、それ以外の時間は徳島の会社に充てていることが多かったですね。月の半分くらいは徳島をはじめとして関西圏を中心に出張していました」

A&A Consulting創業

「新卒で入ったのは広告代理店の電通なのですが」
この時代に自身が生命保険を契約したことから話が始まる。

「保険に加入しようと思った時に対応してくれた人間が、会社を共同創業した平井でした。平井との最初の出会いです」
まだ当時は平井さん自身も別の保険代理店に勤めていた。

きっかけがあって電通からの転職を考えた。
「保険のことを学びたいと以前から考えていました」
そのとき平井さんが自身の所属する保険代理店の社長を引き合わせてくれた。社長に強い魅力を感じてその保険代理店に入社した。
「結果、平井と同僚になりました。先輩として、トレーナーとして、色々教えてもらいました」
その代理店に転職して1年ほど経った頃、平井さんが独立することになった。

「独立するときに私を誘ってくれました。電通から保険業界に自分を引っ張ってくれたのも平井です。平井が新しく創業する会社で自分が役に立てることがあると思い、二つ返事で一緒にA&A Consulting株式会社を創業しました」

桂 雄人アランさん写真

MMHグループとの出会い

「徳島の会社は、もともと法人保険を預かっていたお客様です」

電通時代に通っていたバーがある。
MMHグループの飲食事業部門の東京第1号店だ。
そのオーナーが、アランさんから法人保険を契約した。
電通から保険代理店に転職して間もない頃に、保険に入ると言ってくれたそうだ。

「保険の仕事をしていると、お酒の入った席で”保険入ってあげるよ”と言われることが多々あるのですが、経験上9割5分入らないものです。なおかつ、法人保険は経験の浅い人間に任せるものでもないので、転職の報告をした時に”保険に入る”と言ってくれたのも社交辞令かなと正直思ったのです。自分としては、今まで通りバーのオーナーと客という関係でいいです、という気持ちでした」

ところが、後日オーナーから連絡が来た。
「提案はいつ持ってきてくれるの?」

「それを言われたときは、『あ、本気なんだ!』と思いました。保険料も大きかったのですが、本当に入ってくれたのです。自分としてはその契約で救われた部分もありますし、何よりお客様になって頂けたのが嬉しかった」

行きつけのお店のオーナーと客という関係で出会った。
この一件を機に保険を預かる営業職と顧客の関係になった。

また、独立する時にもう一度関係に変化があった。
「独立して自分で保険代理店を起業すると報告したら、”だったらうちとも取り組んでくれないか。一緒にやっていきたい”と言ってくれたのです」
このご縁で、徳島のMMHグループにも携わるようになった。
「お店のオーナーとお客という関係でしかなかったものが、月の半分くらいを一緒に過ごすような関係性になったのです。面白いものです」

桂 雄人アランさん写真

徳島で行っていたこと

「徳島のマーケットを一緒に開拓し、こちらからは営業マンを提供する、という取り組みをやっていました」

片や保険代理店、片や贈答品事業の会社。
なんだか共通項が見出せない。
「直接的な競合商材ではないですし営業スキルが使い回せる感じもしませんよね。でも、見方を変えるとものすごく親和性があったのです」

アランさんが説明してくれた。
「人は、ライフサイクルのタイミングごとに贈り物をします。出産祝いや結婚祝い、香典返しなど。その時が保険を検討するタイミングとも重なるのです。だから、保険と贈答品は検討する時期が重なる。結婚のタイミングで、出産のタイミングで、という具合に俯瞰して考えられれば、同じ話をすればいいということに気づいたのです」

桂 雄人アランさん写真

短期的なリターンは考えない

「徳島での営業も、最初から保険の話をしに行こうと思ってはいませんでした。最終的な出口が保険なだけで、話している内容はギフトで接客するお客様に対するものと変わらないです。すみ分けているという意識は自分にはないですね。話をしたお客様へのベストな提案を考えた時に、その時々で保険なのかギフトなのかの違いがあるだけです」
この考え方ができればどの業種の何でも扱える。
アランさんはそう考えている。

「ヒアリングをして、自分が持っている商材が当たるようならそれをぶつければいいし、違うと思えば良い提案ができる人を紹介すればいい。紹介した先で自分の商品のニーズが出たらその時に声をかけてもらえればいいと考えています」

戻って来てもらえないことも多そうだ。
それについてはどう感じているのだろうか。
「戻ってこない人のほうが圧倒的に多いです。でも、そこで持った関係性が別の機会に全然違うことでつながったりします。人との付き合い方をそうやって俯瞰してみるようにしています。短期的なリターンは考えていないですね」

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