今回は「コロナ禍で売上を伸ばした営業代行会社へのインタビュー」をテーマに
①コロナ禍における営業代行事業への影響
②個人事業主から法人化した想いやきっかけ、理由
について、カクトク認定パートナーである谷口様、下川様にお話を伺いました。
▼お話を伺った方
谷口氏/代表取締役 新卒で10年間東証一部上場(繊維)に勤務したのち、年商約500億の総合人材会社と東証一部上場企業(個別進学塾)で各5年間従事、異業界を営業職として渡り歩く。セールス活動のほか、マーケティング業務や人材統括・新人教育などのマネジメント業務も担当。パイプラインマネジメントを活用した営業手法を積極的に取り入れ、アポイントメント獲得からクロージングまで営業フェーズを通貫で対応可能。フリーランスの営業として活動したのち、2019年2月に起業。
下川氏/代表取締役 大学・大学院時代は応用物理とカオス理論を専門として研究しており、2014年に当時100名前後だったITベンチャーの株式会社Speeeに入社。Speeeでは新規事業の営業およびマネジメントや新規事業立案に関わり、入社4年後にM&Aアドバイザーの会社に転職。M&Aだけでなく事業開発や新卒採用を担当しつつ約1年後に独立し、フリーランスを経て起業。現在は新規法人営業を専門とした営業代行事業やM&A、webマーケティング、物流倉庫など複数の事業を運営。営業代行に関しては、IT業界を中心に戦略・戦術立案、インサイドセールスチームの立ち上げ、営業組織マネジメントなどを行ってきており、特にスタートアップ・ベンチャーや大企業の新規事業などの営業の勝ち方が定まっていないフェーズの突破が得意。
コロナ禍における営業代行事業への影響
編集部:最初のテーマは、コロナ禍における営業代行事業への影響です。谷口さんは、2019年2月に起業されて2020年でコロナの流行がありました。中には営業代行の予算を縮小した企業もあったと思いますが、御社として営業代行事業への打撃はございましたか?
谷口さん:結論からいうと、数字上での打撃は受けませんでした。
ただ1回目の緊急事態宣言のときに、初めての海外顧客としてフィリピンの会社から依頼をいただきましたが、うまく意思疎通ができずキャンセルとなってしまったことがありました。日本では緊急事態宣言、フィリピンではロックダウンがあり、世界が混乱していた時期だったので、仕方がないと思っています。
その際に売上は少し落ち込みましたが、カクトクのプラットフォームが変わった時期から回復して、それから少しずつ業績は伸びました。
結果的には2019年と2020年の売上を比較すると、2倍強となった形です。
編集部:下川さんはいかがでしたか?
下川さん:私は2019年はフリーランスとしての営業代行中心でしたが、2019から2020年を比較すると、売上は3倍弱で、案件も増えました。
その理由として思うのは、オンライン面談が増えたことで商談数が増加したことです。
2019年をコロナ前とすると、コロナ前は商談や案件獲得は対面が中心でしたので、一日に提案できるのは多くて4件程度でした。先方の企業様には、zoomやベルフェイスなどのWebツールは、誠意に欠けるとか、手を抜いているとか思われる方もいたからです。
それが、2020年をコロナ後とすると、多い日で一日に5件以上と、商談の機会が増えました。zoomなどオンライン面談が一般的になり、感染対策の観点から、逆に対面しないことがマナーと思われてきたという背景があります。その違いは大きいですね。
商談数の増加に伴って新規の案件は増え、結果的に売上増加につながったと思います。
リモート化やオンライン環境の整備
編集部:オンライン面談の浸透など社会的に状況が変化していく中で、リモート化やオンライン環境の整備については、どのように対策されましたか?また、先方企業の反応はどのようなものがありましたか?
谷口さん:私自身は以前からzoomやWherebyなどを使っていたので、オンライン環境などは特に何も変えてはいないですね。
また、出社に関してももともとリモート中心だったので、コロナ前も週2.3度出社という形でした。いまはさらにリモート化しており、月に1.2回郵便物を取りに行く形になっています。
先方企業の反応としては、オンライン会議に対して、ストレスなくなってきたと感じています。以前はオンライン会議というと、「?」という反応がありましたが、いまはzoomも抵抗なく取り入れられていると思います。
ですので、以前からオンライン化・リモート化を進めていた当社にとっては、業務は進めやすくはなりました。
下川さん:私はまず、環境・設備を整えました。ポケットWiFiから光回線に、ルーターも新調したり、PCのキーボードやディスプレイにも投資し、家での仕事をしやすくしました。
また、新しいツールも取り入れました。案件の増加に伴いどうしても業務が増えるので、精度が高く時短効率化につながる、リストのスクレイピングツールなどを導入しました。
営業は、戦略や方向性を思考する時間も必要です。ツールを導入したおかげで、思考に費やせる時間を上手く増やすことができるようになりました。
個人事業主から法人化を考えたきっかけ
編集部:次に「個人事業主の時代から法人化を考えた想いやきっかけ、理由」について教えていただけますか
谷口さん:私はずっとサラリーマンをやってきたので、会社のネームバリューではなく、自分自身の力で結果を残してみたい、という想いはありました。
ただ、実際に自分自身の力で始めてみて、カクトクさんからの案件も4~5案件と増えていく中で、やはり自分だけでテレアポして、商談して、クロージングして、というのは厳しいことを実感したんですね。
また、お客様には、より良い結果を出してあげたい、という強い想いも持っていました。ですが、それを実現するにはやはり一人よりもチームで仕事しないと難しい、ということもあって、法人化しました。
下川さん:私の場合は、先方への安心感と集客力ですね。先方からすると、個人事業主よりも法人の方がしっかりしているという印象を持たれますし、新規開拓にしても、法人しか契約できないということもありましたので、法人化したという背景です。
編集部:法人化するうえで、一番苦労したことは何でしょうか?また、良かったことは何でしょうか。
谷口さん:法人手続きについては無知だったので、勉強しながら代行を使ったりして進めていきました。ただ、分からないことがあればカクトクさんに相談できる、という安心感は、法人化を進めていく上での後押しとなりましたね。
個人的な理由ですと、妻が先に独立して会社や社団法人を作っていたので、妻以上の結果を出したい、という想いもあり、それが励みになって頑張れたので、良かったですね。
また、カクトクさんに登録している営業代行さんはライバルだと思っているので、切磋琢磨したいという想いも励みになりました。
下川さん:法人手続きや、税金などバックオフィスの部分は、個人事業主のときよりも業務が増えたので、そこは少し大変ですね。ただ、法人化して案件の獲得につながったので、そこは本当に良かったです。
営業の場合はエンジニアなどと違って、どうしても労働集約というところが根底にあり、お客様に成果を納品していく事業だと思うので、人員が必要です。
法人化したことで、そこを他のメンバーがカバーできるようになりました。その結果、ディレクションや戦略設計にも時間を使うことができ、価値を出すことができるようになりました。
法人化を目指している方へのアドバイス
編集部:いま法人化を目指している方にアドバイスをお願いします。
谷口さん:独立して法人化したいのであれば、年齢や性別、経験など全てを抜きにして、学ぶ姿勢が大事です。
相手が厳しいことを言うのは、本人のためです。なので、素直になることがとても重要だと思います。どんな厳しいことを言われても、聞く耳を持って吸収していこうと思えれば、将来的に進みたい道にいけるのでは、と思います。
年を取るにつれ、プライドが邪魔をして人の話を素直に聞けなくなってしまうことも多いです。ですが、例えば相手が自分よりも年下の社長でも、素直に聞いて学んでいけるかどうかによって変わっていけるのかなと思います。
下川さん:営業代行での独立を迷われているのなら、個人的にはおすすめしたいですね。
在庫もないし、初期費用もかからない。そして一番良いと感じるのは、売上の発生が確定した後に人を集めても間に合うので、赤字リスクを0にしたうえでも事業を始められることだと思います。
案件獲得に自信があれば、例えば案件を獲得したあとにクライアントとスタート時期さえ調整できれば、カクトクを上手く使って人員を募集してからでも始められます。お金がないけれど起業したい、という方にも、リスクの面でもおすすめです。
今後の展望
編集部:今後の会社の事業の展望をお願いします。
谷口さん:事業としては、上場企業だけでなく、スタートアップの支援もしていきたいですね。
稼働させていただいているクライアントの半分くらいは上場企業なのですが、営業がいなくて困っているスタートアップ企業なども支援していきたいです。一緒に企業の事業の成功に向けてアサインしたいなと思いますね。
そして、人材育成にも力を入れていきたいです。現在、カクトクさん経由で300名を越す多くの方と面談させていただいていて、いろいろな方に入っていただきました。
入っていただいた方は若い人が多いので、自分の営業の経験値を伝えてあげたり、応援して、育てていきたいですね。自分よりも上へ登っていってほしいです。
下川さん:一つは、いろいろな企業がDXに向かっていく流れの中で、DXを推進しようとしている企業から選ばれるような専門のチームを作っていきたいということがあります。
特に、レガシーな業界のDXを単なるデジタルシフトで終わらせずに、DXに寄り添った営業の支援をしていきたいと思っています。
私も介護や不動産などレガシーな業界と接することも多いのですが、レガシー業界の方はDX商材の目利きが難しいことがあると感じるので、いままで以上に営業マンに対する信頼の重要度も上がってくると思うんです。今後の営業は、「この人が言うのであれば信頼できそう」という、営業であれば当たり前の信頼獲得に再び脚光が浴びると感じています。
そこをどう短時間で獲得するかを理解し、習熟度が上がっているメンバーを一人でも多く組織して、DX推進している企業から選んでいただける企業にしていきたいですね。
そして、われわれの強みである、新規法人営業を生かした事業会社も目指していきたいと考えています。
自社の営業力を生かせる事業やプロダクトを持ち、事業会社として運営することで、その業界での営業パフォーマンスが変わっていきます。また、自社でもリスクを負って新規事業を手掛けることで、「自社でもこういうことができているんですね」という信用にもつながり、結果的には発注に結びついていくと思うんです。
なので、いまは営業代行のみの会社ですけれども、新規の法人営業の強みや事業会社としての強みを生かして、幅広い営業代行会社としてやっていけたらいいなと思います。
編集部:支援している企業からこんな評価をいただきました、などのフィードバック事例があればお願いします。
下川さん:営業代行業界にはどうしても、リソース貸しという印象があると思うんですね。
社員より劣るけど、社内でリソース調達できないし、すぐ採用もできないので営業代行使うか、というような消極的な選択って意外と発注企業様で多いのかなと思うのですが。
ただ、弊社では最近では戦略作りからご一緒させていただくことも増えてきました。事業の検証として、プライシングが正しいのか、クロージングポイントはどこなのか、競合と比較して、どういう差を営業として出せば売れるのかという、本来は社内の経営企画や社員が考えるべきポイントを弊社も一緒にやることが増えてきていて。そして、うまくいく事例も増えてきたんですね。
そうすると「その時期から発注させていただいて良かったです」と言われたり、「このまま代行もお願いします」という流れになってきていて、そのような評価は嬉しいですね。
編集部:今後弊社のプラットフォームを使う方に向けてのメッセージをお願いします。
谷口さん:私は営業代行の存在意義というものを常に考えてるんですが、お金をいただいているということは、プロなのだと思います。
プロであれば、ある程度企業の方と同様、もしくはそれ以上の価値を出していくべきだと思いますので、そこが自信がない方は営業代行としては成り立たない、お金はいただけないと思います。今後カクトクを利用して活躍したいと考えている方にも、そこは根底にあるということは伝えたいですね。
そして今後、カクトクのプラットフォームを使われる方は良きライバルになると思うので、どうぞお手柔らかにお願いします(笑)
下川さん:営業代行だと、どうしても消極的な理由で発注されることも多いと思いますが、その認識は一緒に改めていきたいです。
社員の方は、自分たちの会社の商材やプロダクトなので、理解が深いのは当然です。ただ一方で、社員の方は営業時間以外も社内イベントや社内コミュニケーションに時間を使っていることもありますよね。
その点でいうと、営業代行は良くも悪くも営業に集中できるので、社員よりも営業時間が長く、営業代行が社員の方のライバルにもなり得ると思うんです。
「社員の方よりも良いですね」、と言われるのがほめ言葉だと思うし、引き抜きが増えていくようなプラットフォームになると企業の人も集まってくるし、活躍の場が広がると思います。なので、みんなで社員以上のパフォーマンスを出せるように、一緒に頑張っていきましょう。
編集部:ありがとうございました。
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