大手クライアントからの受注に結びついた新人時代のメール営業エピソード。

大手クライアントからの受注に結びついた新人時代のメール営業エピソード。
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笹田 裕嗣(ささだ ひろし)さん
1988年生まれ。新卒で人材会社にて営業や社内ベンチャー立ち上げに従事。その後、営業代行のサービスをおこなう個人事業主として独立しました。メール営業(Eメールを活用した営業)の手法で、現在はクライアント企業の新規営業案件を中心に支援しています。また、個人事業と並行して、WEBを活用したマーケティング支援をおこなう株式会社イノベーションハックのCOOにも就任しており、主にカスタマーサクセスの業務に従事しています。
ホームページ https://hiroshi-sasada.com/
オンラインサロン https://lounge.dmm.com/detail/343/

新卒時代に、ある大手の会社の新規開拓に成功したことがあった。
秘訣は、泥くさい美技だった。
その時のことを教えてもらった。

どうしようもないので会いに行った

笹田さんは新卒時代からメール営業をしている。(詳しくは前回のインタビュー「メール営業の極意:アポ率78割を実現する考え方と文章の作り方」をご覧ください)
「電話での営業は1件かけてアポ1件しか取れないので効率が悪いとずっと思ってました。いっぺんにアクションが起こせて1回のアクションの最大効果を得られるのがメール営業だと思ってました」

在籍していた人材派遣会社の仕事で、ある大手のECの会社に営業をした。
「全然会ってもらえないし、担当者が誰かすらも分からなかったんです」
どうしようもないので、訪問した。
行ってみると、受付に内線電話が置いてあった。
「内線の番号表に担当者名が書いてありました。一旦それ全部メモして、帰社してひとりひとりに電話をかけました」

結果、ひとりだけ「名刺交換だけなら」と会ってくれた人がいた。
アポを「3分で良いですから会ってください」と取った。
会いに行って3分間全力で自己紹介した。
最後に名刺交換をした。

笹田さん写真

挫けずに送り続けたメール

「そのあと、全然会ってもらえなかったです」
それでもどうしてもお客さんにしたかった。
メールを送り続けた。
「競合の情報をメールで送るとか、そのお客さん用に色んなことを調べてメールで送りました。情報を持っている人に聞いたり、自分が担当していた同業のお客さんにヒアリングしたり。相手が満足してくれそうな情報を掻き集めてきてそれを送り続けるというのをやってました」

半年ほどして、初めて相手から連絡が返ってきた。
「お願いしたい案件がある」
依頼だった。
「他の人にはお願いしていないから。笹田君に任せたよ。絶対やってね」
独占案件をもらえた。

最初のハードルはみんな高い

「いきなり連絡してきた初対面の人に心を開くなんてありえないですよね。そういうなかで、会ってくれないならメールを送るというアクションを刻み続けたんです」
その結果、お客さんがこちらを評価してくれるまでになった。

「続ければ誰かが評価してくれると思います。続けた結果が1件の受注になり、その1件の評価がよかったことで、次の受注にもつながりました。今自分はその会社をやめてしまいましたが、今でも取引は続いているみたいです」

ビジネスは人を介したコミュニケーションだ。
1回の訪問で逆転するようなシンデレラストーリーはなかなかない。
「そういう特効薬がない代わりに、続けることはできます。やめずに続け切ったことで最後に大きな成果が出ました。継続することの大切さと重要性を感じたケースでした」

笹田さん写真

お客さんの役に立つために何ができるかを純粋に考えて続けた。
「期待値の基準がお金を払ってもいいところまで上がって初めて受注に結び付きます」

こういうことは見返りを求めてやっても裏が透けて見えてしまう。
「お客さんの役に立てることは何かという視点で動いてそれを積み重ねただけです。受注と納品だけが営業職が貢献できることではないです。メールも電話も打ち合わせの時間さえも役に立てることはあります。こういうことってすごいきれいごとですけど、お客さんはきれいごとを求めています。巧いこと言って丸め込んでくる相手と仕事したいと思っているわけはないので、綺麗にやってほしいんですよ」
お客さんはきれいごと求めている。
ハッとする一言だ。

役に立とうとする+計画をする

お客さんの役に立ちたいと思って動いても、実らず片想いで終わることもある。
それについて笹田さんはどう考えているのだろうか。
「お客さんの役に立つためにやれることを全部やるというのは、営業職がお客さんに見せる姿勢の部分として必須です」
でも、と笹田さんは続ける。
「さっきの話と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、その裏では最終的にお客さんがどういう状態になったら受注になるかを逆算して計画した上でメールを送り続けていたわけですよ」

ゴールの姿がある。
ゼロの状態から一気にゴールまでは行けない。
ステップが必ずある。
「さっきのECの会社さんの話でいえば、メールを送り続ける過程のなかでお客さんがどういう状況になっているか、どういう状態になってほしいかを常に考えてステップアップさせていかないといけないわけですよ」

計画を立てると判断ができるようになる

発注までのストーリーを作っておく。
今どのステップなのかを見極める。
どのステップまで引き上げなきゃいけないのかを組み立てていく。
組み立てられれば次のアクションも決まる。
「戦略を立てましょうというだけの話で、戦略を立てないアクションは改善できないです」

笹田さん写真

アクションは常に評価ができるようにしておく。
続けるか改善するか辞めるか、取捨選択の連続だ。
反応率のデータを取ると判断ができるようになる。
営業と数字はいつもセットで考える。
仮説を立てて、アクションをして、振り返りをする。
「惰性でアクションだけやっても成果は出ないですね」

あわせて読みたい、笹田さんのインタビュー記事はこちら
営業サロンを主宰していて思う、営業力の身につけ方と育て方
笹田さんが考える営業職の「一流」と、そのなり方・あり続け方
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