山田 研太(やまだ けんた)さん 1985年生まれ。大学卒業後に人材教育コンサルティング会社にてコンサルティング業務に従事しました。セミナー受講者の2割しか短期に結果が出ないというコンサルティング業界の常識に衝撃を受け、「全員結果が出るセミナーを作りたい」という志を持って独立しました。強みを活かすことにフォーカスした経営塾を展開して好評を博しています。かつては営業は好きではなかったそうですが、今では得意だそうです。株式会社ホンモノ 代表取締役。「集客せずに月100万円」強み経営塾 代表。
山田さんは営業が得意だと自認する。
一方で過去には、好きでも得意でも無かった。
変化の理由や、今やっている営業について教えてもらった。
営業が苦手だった
「昔は、営業は好きじゃなかったですし、得意という認識もなかったですね。最近変わりましたけど。今はめっちゃ得意です」
本格的な営業会社に在籍した時代がある。
月に粗利で200万円を稼ぐという目標は達成していた。
上位2割には入っていたが、上位5%ではなかった。
「売れているほうではあったがすごく売れているわけではなかったです」
そもそも、山田さんはなぜ営業が苦手だったのだろうか。
「人見知りなので人といっぱい会うのが好きじゃないんです」
ゴルフや交流会は行きたくない。
友達の結婚式すら行きたくない。
人にたくさん会わなければいけないのがとにかく嫌だ。
「でも、今自分で会社をやっていて、自分の代わりに営業をしてくれる人がいるとしたら、その人に対して営業するのならいいかなと思いました。そう思ってから認識が変わりました」
今取り組んでいる、少し変わった営業
「例えば今、タレントマネージメントの事業を考えているんですが」
テレビ系のメディアや出版系の業界、雑誌系の業界と繋がりたい。
発掘に堪えうるようなタレント候補と多く繋がりたい。
こういった人的なニーズがある。
「求めている人と繋がるというのが、私が得たい結果ですね」
それに対して、そういった繋がりを既に持っている人もどこかにいる。
「既にそういった繋がりを持っている人たちと会って、まずこちらが貢献できることを提案します」
メディア関係者や出版業界の人たちと繋がりたい。
そのために、その人たちと既に繋がっている人たちに営業に行く。
繋がりたい人たちに直接会って開拓を試みるわけではない。
通常の考え方とは、営業に行く先が異なる。
「その上で、まず相手に徹底的にメリットを提供します」
自分ができないことでも、自分と繋がっている誰かができることなら、その助けを借りてでもメリットを提供する。
「このやり方なら、今まで何年もかけてやってきた繋がり作りや集客が、1社との取引の中でできてしまいます。座組を作り上げて相手にも自分にも利益がある形で売上を立てていく。そのような大きな枠組みを作るのが僕がやっていることです」
これからの時代のコアスキル
分かるような気がする。
反面、不思議な話を聴いているような気持ちにもなる。
自分が繋がりたい人との繋がりを既にたくさん持っている誰かと繋がる。
その繋がりで顧客を獲得していく。
ひとりひとりに会って営業して顧客化していく発想ではない。
「これからの時代は、飛び込みや電話ではなく、みんなこうやって仕組み・座組を作って営業するようになると思います。僕が話しているのは”座組を作る力”の話ではなく”編集力”の話です。編集する力、つまり掛け合わせる力がこれからの時代のコアスキルになってくる。余っているリソースと足りていないリソースのマッチングも編集であり掛け合わせです。ひとつひとつは既にあるモノでも、それら複数を掛け合わせると新しいモノ・新しい価値になりますよね。モノが売れない時代には編集力のある人たちが売れる営業マンになっていく気がします」
編集という話、意外と身近にも事例がある。
健康診断のポスターにタレントを起用するのもその1つだ。
健康の専門家だが人の注目は惹かない医師。
医学は素人だが多くの人の注目は集められる人気タレント。
お互いの持っているものを掛け合わせて『健康診断の勧奨』という1つの目的を達成している。
「編集や掛け合わせというのはそういうことを言っています」
座組を作る方法
「1つ目は営業に行く先です」
繋がりたいお客さんのところに直接行くわけではない。
お客さんになり得る人たちと既にたくさん繋がりを持っている人のところに行く。
「2つ目は、先に相手に圧倒的なメリットを提供することです」
相手に貢献することだけを考える。
自分の商品は一切提案しない。
こうすると、信頼を築くことができる。
「この2つを続けることで、相手がこちらを信頼してくれて、紹介が起きたり、その他のリターンがあったりします。まずは相手にメリットを提供して信頼を築くことが大事です」
リソースより気が合うかを優先する
こちらが繋がりを持ちたい人との繋がりを既に持っている人。
探せばたくさんいるはずだ。
その中から、誰に会うかをどうやって決めているのだろう。
「リソースから入らないことじゃないですか」
山田さんはまず最初に、気が合う人かどうかを重視する。
「自分のことを応援したいと思ってくれているかっていうのは大事にしますね。でも、その度合いは行動でしか分からないから、誰かを紹介してくれたとか、具体的なアクションをしてくれた人を特に大事にします」
気が合ったあとに初めて、その人の周りにたくさんのリソースがあるかどうかを気にする。
「気が合って実際にリソースを持っている人なら、こちらからどんどんgiveすれば良いんですよ。困ったことを解決してどんどんgiveする。そうしたら、そのうち誰かを紹介してくれるようになると思います」
▼山田さんのインタビュー続編はこちら
強みを大事にする山田さんが考える、これからの時代の営業という仕事。