安田 錦之助(やすだ きんのすけ)さん 1988年生まれ。大学時代にアメリカで見た貧富の格差の現実に衝撃を受け、「世界からお金で困る人をなくしたい」と考えるようになりました。大学卒業後、証券会社や外資系生命保険会社の営業職として勤務した後、現在は独立。株式会社イコールワンホールディングス代表取締役として、「金融業を通じて誰もが自分の大切なものを守り、夢を掲げ挑戦できる世界を創る」をビジョンに掲げ<金融業界の総合プラットフォーム>事業をおこなっています。
安田さんには大学生のころに目の当たりにしたある現実がある。
その現実が大きなビジョンを生み出した。
安田さんが何をして、どこを目指しているのか、なぜやるのかを、聴いた。
金融業界の総合プラットフォームを創る
「保険・証券・不動産、いずれは自社で銀行も持って、金融に関するお客様の悩みをトータルに解決していく。これがやりたいことです」
保険も証券も不動産も銀行も、全部自社で扱う。
安田さんはこれを金融の総合プラットフォームと呼んでいる。
「世界的に見ると、例えば生命保険業界は代理店スタイルが主流なんです」
保険を検討している人がコンサルタントに相談をする。
あらゆる保険会社のあらゆる商品の中から最適なものを提案してもらえる。
「日本はこのスタイルではないので、自分の扱っているものを中心に提案するスタイルになります。それがお客様の最善の利益にならない場合もある。そういう仕組みを変えたいんです」
「自分の扱えるものしか売れない」を解消したい
安田さんが目指すのは、”お客様の最善の利益”だ。
金融商品のニーズのある人がいても、不動産業界の営業職は保険を売れない。
証券業界の営業職は不動産を売れない。
保険だけ、証券だけ、不動産だけ、という縦割りの現実がある。
「その壁を越えて、扱えるものを豊富に持っていて、”お客様にとって何がいいかという判断軸のもとに自分が専門知識をもって選ぶので安心してください”というのを実現したいんです」
金融商品全般の中から一番ニーズに合うものを提案したいと考えている。
「実現の障壁は、保険・証券・不動産のすべての知識を持つ人間を育てられるかということ。今は日本のどの会社も、誰もできていないことですが、これからはそういう真の金融のプロの育成が大事です」
業界人にも一般の人にも金融リテラシーを
「金融に従事する人間も、一般の人も、金融リテラシーを高くしないといけないと思います。両軸大事です」
最終的に責任を持ってアドバイスするのは専門家である営業職だ。
営業職の専門知識やリテラシーは当然重要だ。
一方で、一般の人の金融リテラシーも大事になる。
「例えば、いきなり親の生命保険の死亡保障で高額なお金が入っても、金融リテラシーがないと上手く扱えなくて無駄に使って終わってしまうこともあり得ますよね」
こうした事例を心配するからこそ、一般の人の金融リテラシーの話になる。
「営業職のレベルを上げることはもちろん、一般の人が金融の知識をちゃんと持てるアカデミーのようなものも必要だし、これを日本だけでなく世界規模でやっていきたいと思っています」
頑張りたくても夢すら持てない人がいる
安田さんのこの熱い想いはどこから来るのだろうか。
「大学生のころ、”やりたいことを叶えるよりも、やりたいことを見つける方が数倍難しい”という言葉をどこかで聞いて、自分もやりたいことを探そうと思って、アメリカにバックパッカーで行きました」
そこで、ある現実を目にする。
「アメリカ人のお金の格差はハンパじゃないと思いました。ホームレスがめちゃくちゃ多い。資本主義の最先端はこれかという気持ちでした」
安田さんは自身を、平等主義者ではないと言い切る。
努力の結果、差が生まれることもあると思っている。
「ただ、頑張ろうと思っている人間がどうにもならない環境で苦しんでいるのはあり得ないと思います」
お金が原因で人生にブレーキがかかる人は世界中に大勢いる。
夢を持つことすらできないくらい貧困の状況が深刻な人もいる。
「こういう問題に対して何かできないかと考えている時に金融業の意義を初めて感じたんです。これこそ金融業をしている人間が解決すべきだろうと」
安田さんはそれを日本のみならず世界で実現しようとしている。
偶然の出会いに起業への背中を押される
「生命保険の営業職として勤めていたころですが」
保険業界の会合でアメリカに行った。
1万人規模の会場で偶然隣に座ったおじいさんがいた。
そのおじいさんと話が盛り上がる。
「アメリカで見聞きしたこと、日本の業界の話、自分が考えているビジネスアイデア、色々聞いてもらいましたね」
今やっているビジネスの原型となる話をした。
「そのおじいさんには”とてもいい。アメリカもそんな感じだし、やりなよ。日本に帰ってすぐやることが大事だから”と言ってもらったんです」
帰国してすぐに辞表を出した。
「あとで知ったんですが、そのおじいさん、全米で一番売り上げている社長だったんです。そういう人に”君の考えていることは間違ってない”と言われたのもすごく自信になりました」
人は出会うべき時に出会うべきものに出会う。
偶然やたまたまも、後になって振り返るとすべてつながっている。
▼安田さんのインタビュー続編はこちら
金融界に革命を起こすための経験と技能と見立て