佐藤 智洋(さとう ともひろ)さん 1977年生まれ。前職にて、紳士服販売のAOKIホールディングスに11年間勤務しました。傘下のORIHICA(オリヒカ)という業態では、30代前半で「営業部長」となり、在籍中に全国100店舗規模まで拡大しました。35歳の時に現職に転じました。現在は、ジブラルタ生命保険株式会社の営業所長として17名のメンバーをまとめています。
生命保険会社の営業所長をしている。
所長になって、現在4期目だ。
17名の所員をまとめるマネージメントについて聞いてみた。
(佐藤さんが生命保険営業に転職したきっかけは、前回のインタビュー記事「大切な家族に導かれるかのように生命保険営業に転じた、とある転職エピソード。」をご覧ください)
佐藤さんの人間観
「人間誰でも、自分にあって人に無いものや、人にあって自分に無いものが、必ず1個はあると思います。その良さを活かしていけるといいですね」
営業職はもちろん、どんな人にも当てはまる。
「過去の偉人を並べても、短所を克服して成功した人はいません。長所だけを伸ばしていく人が成功してます。だから自分の良さに気づくことが大事で、それ以外はできないことなので人に頼む」
できないことをできないと認めて人に分配していく。
だからチームで成果が出る。
佐藤さんはそんなマネージメントをしているのだろう。
佐藤さんのリーダー論
「ひとりひとりの良さを見つけてあげる。リーダーってそういうものだと思います」
佐藤さんのリーダー論が端的に表れている。
良さの見つけ方も教えてもらった。
「長所・短所は相対評価なので、変化を見るとうまく見つけられますよ」
この人はこういうときこうするというのを見る。
その行動パターンから外れていたら注視する。
佐藤さんの言う「変化を見る」とはそういうことだ。
「客観的に見る立場の人間はその変化を敏感に感じ取らないといけないので、すごく気にはしています」
見てないふりして見ているという感じだろうか。
「そうです。良いことは言いたがる。うまくいかないことは言いづらい。だから、表立って言ってきたり表面的に見えることは見ません」
そういう目線で人を見れるようになると、人の良い所も見えるようになりますよ。
佐藤さんはそう言って笑った。
人への眼差しが向けられなくなる意外な理由
「余裕がなくなると周りが見えなくなります。誰しもある程度余裕があれば他人の変化に気づいたりできるものだと思います。仕事が増えすぎたり、できないことまで抱えすぎたりして余裕がなくなっている人が、どこの企業の管理職にも多いと思います」
1人でできることは1人の時間に
「今は人に時間を使うのが自分の仕事です。なのでとにかく自分の仕事を軽くする。ひとりでできることはひとりの時間でやるというのを心掛けています」
ひとりでできることをみんなでいる時間にやる上司がいる。
部下は話しかけづらくなり、距離も遠くなる。
上司は、問題に気づかなくなる。
デメリットが多い。
「自分が忙しいときは、自分がパソコンに座っていてそこに人がやってくるイメージですけど、それは自分の作業がメインです。そういうのは1人の時間にやって、こちらから所員に働きかけに行くことを大事にしています」
ゴールのイメージを共有する
「ある程度骨組みを作って、”これで進めます、良いですか?”と確認をとってから実行して、8割くらいやってからまた確認を取れば、仕事は早く終わります。ひとりで抱えて自力で仕上げようとすると数倍時間がかかります」
仕上がりについて自分の中で完成度を上げ過ぎちゃう人がいる。
佐藤さんはそんなふうに言う。
「最初に聞いて認識を合わせればいいんです」
部下なら、上司の求めていることを先に認識合わせをしてから取りかかる。
上司も、部下に聞いて判断してから始めた方がいい。
「その人の能力がないわけではなく、指示が悪かったのと確認をしてないことが原因で、認識のズレが時間のロスを生んでいるのだと思います」
期待をかける
「ある程度お金をもらえたり、ある程度目標をクリアすると、これでいいかな、となるのが人間だと思います。上司の手前、大きなことを言っても、行動はそうではない人というのは多いものです。それを超える働く理由は”この人のためにがんばりたい”という気持ちです。そう思ってもらえることが必要です。”こういう良い所があるんだから、それを活かしたらもっとこういうところをねらえるんじゃない?”と常に期待をかけるようにしています」
上司がそう思っても部下が動かないこともある。
佐藤さんならどう考えるだろうか。
「いいところを見つけて認めてあげることだと思います。それってたぶん、されてないんですよ。されてないんで、してあげると、”あ、この人違う”ってなる」
認められて力を発揮するのが人間だ。
「でも、期待をする先が短すぎるのはダメですね。来週こうなってよ、みたいな期待の仕方は良くない。期待をして来週待ってるというのはただの業務の指示。期待って、10年後とか、もっとずっと未来のことだと思います」
佐藤流 採用・研修・育成
採用もやることがある。
1つだけ重視している観点がある。
「車に乗って二人きりで東京から大阪まで行った場合にこの人に耐えられるか?これはいつも考えてます」
明快だが、奥が深い。
「気持ちがいい人がいいですね。その究極が車の話。この人無理だなと思ったら、そういう人に時間を割けないので、採用しません」
そんなふうに採用した部下を、どうやって育てているのだろうか。
「研修は、カメラで撮るロープレを大事にしてます。人は人の話を聴かないです。でも、自分のことには自分が一番厳しいです」
だから、カメラに撮って自身の姿を見せる。
自分で気づいて、自分の言葉で納得させていく。
「営業所では、明るい雰囲気を大事にしてますね。笑う門には福来たる、です」
優しい上司に見える佐藤さん。
自分を厳しい上司だという。
「人としての在り方がなってなかったら注意します。そこだけです。陰口とか、公共の場を汚く使うとか、ダメですね」
見るところを見ている。
「厳しい人でありたいです」
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