佐藤 智洋(さとう ともひろ)さん 1977年生まれ。前職にて、紳士服販売のAOKIホールディングスに11年間勤務しました。傘下のORIHICA(オリヒカ)という業態では、30代前半で「営業部長」となり、在籍中に全国100店舗規模まで拡大しました。35歳の時に現職に転じました。現在は、ジブラルタ生命保険株式会社の営業所長として17名のメンバーをまとめています。
生命保険の世界に入って6年目だ。
生命保険の世界で色々な経験をしてきた。
佐藤さんが考える生命保険の価値について聞いてみた。
保険って意外と感情的なものだと思います
「多くの人は、論理的に生命保険の必要性を問います。亡くなったらいくら必要か、と。生命保険は何かがあったときに経済的な補償をします、というものです。これって、感情的に必要なだけのものだと思います」
保険を検討する際、ライフプランなどが論理的に語られることは多い。
感情的なもの、というのはどういうことだろうか。
無くても究極的に困らないものの必要性は論理だけでは解釈しきれない
「自分が亡くなったときに家族にはこういうものを遺してあげたいという家族への気持ちが金額に乗っているだけだったりします。仮に保険に入っていなくて保険金がもらえないことがあっても、遺された人が生きていけないほど困窮することはほぼ無いですよね。生きていく術は何かしらある。なのに、万が一の時に大変なことになりますよと言って必要性を無理矢理にでも論理的に解釈しようとして苦しんでいる人が多い。そんなふうに感じます」
あるに越したことはないが、無かったとしても生きていけなくなるようなことにはならない。
そういうものの必要性を論理的な説明だけで納得するのは難しい。
佐藤さんが感情的なものと言っている意味が分かってきた。
「生命保険の本当の価値」に関する1つの考え方
「保険が必要になるような万が一のことが起きないことのほうが、確率的には高い。論理的に決断を持って行こうとすると、保険は自分以外の人のためのものだけど保険料というお金は自分のものだから、自分のものは自分で使いたい。自分で貯めていきたい。それよりも老後が不安だ。そういう話になります。そうなると、必要無いって結論になっちゃいますよね。なので最終的には感情に促していかないといけない」
この短い時間の中で、本当に分かりやすく説明してもらえた。
生命保険の営業をしているのにこんな話をして大丈夫なのか。
こちらが心配になってしまう。
いや、生命保険の営業をしているからこそ、明言する必要のあることかもしれない。
「結局、自分で決める自分の価値ですよ。人からすればそういうものに値段はつけられないです。けれど、遺す人に何かをしてあげたいと思うことはあると思います。そういうときには、保険を考えてもらえたらいいと思います」
押し売りでも遠慮でもない、優しい一言だった。
生命保険営業の醍醐味
「サービスの性質上、個別のエピソードは話せないものですが」
エピソードではない部分で醍醐味を話してくれた。
「保険金をお支払いする時は、物を売るとかそういうのとは訳が違いますね」
保険が必要とされるのは、契約者に何かがあった時だ。
「普通に生きているとそういう場面はなかなかサポートできないです。そういうピンチの時に役に立てるのは、言い方は悪いですが、いい仕事だと思っています。入職して実際にやってみると”こういうものか!”と。あっさりしているなと思う反面、この人たちが亡くなる時には全部立ち会っていくんだな、という気持ちもあります」
形のないものを売るということ
生命保険の営業は形の無いものを扱う。
よく、形のないものを扱うから難しそうだと言われる。
「形の無いものを売るからこそ気づくことがあります。人は物を買うわけではなく、解決策を買っているということです。自分の何かを問題だと思ってその解決策として何かを買う、何かで補填する。それだけのことなので、保険を売ろうとしたら売れません」
保険もスーツも車も一緒だと、佐藤さんは言う。
これを持つことで、こんなことがこうなったら、どうですか?という未来を売る。
そのもの自体を売るのではない。
「それって感情的なものですよね」
形が無いから難しいと言われている営業には、だからこその醍醐味がある。
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