目標より人に向かうことで成果を挙げてきたマネージャーとしてのエピソード。

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角本 拓也(かくもと たくや)さん
1985年生まれ。ビジネスチャットサービスを提供するChatWork株式会社(チャットワーク社)のビジネスマッチング事業と広告事業に携わっておられます。事業統括と商品開発、営業や人員のマネージメントなど主にフロントサイドの業務で幅広くご活躍されています。

角本さんは、営業職のマネージメント経験も豊富だ。
個よりもチーム、事よりも人にフォーカスする。
そんなマネージメントスタイルについて教えてもらった。

上司に言われたハッとする一言

営業が苦手な人に、角本さんはどんなアドバイスをするだろうか。
「数多く営業職を見てきましたけど、営業苦手な人は本当に営業ができないんですよね」

角本さんにも、かつて営業職を辞めようと思った過去がある。
角本さんは地図を読むのが大得意だ。
「僕の同期は地図が全然読めない人が多かったんですね。”なんでそんなに読めるの?”と言われて読み方を教えたりしました。でも何回教えても読めるようにならないんですよ」

そんなとき、角本さんも上司にあることを言われる。
「上司から”お前は営業として売れるとは思うけど、俺は教えられない”って言われたんですよ。理由は”地図が読めないやつに地図の読み方を教えているようなものだから”と」
ハッとした。
地図が読めない人に地図を教えるのは何回やっても無理だ。
その経験則と合致する一言だった。
この出来事があって、角本さんは一度営業職を離れた。

角本さん写真

営業が苦手でも別の道がある

「それでもまた営業に戻ってきたんですけどね」
その経験があるからこそのアドバイスがある。
「営業向かなかったら辞めてみれば?って言っちゃうかもしれないですね」
ストレートだ。
でも分かりやすい。
「僕は、営業が嫌だっていう子に対しては、”そんなに無理しなくていいんじゃない?ほかの可能性もあるんじゃない?”と言って外の世界を見て来てもらったり、一緒にそういう勉強をするタイプですね」
だから、無理に営業の話もしない。
「営業は何事でも基礎にはなると思うので、最低限のことが学べる程度にはやろうって説得はしますけど、それ以外であれば新しいことにチャレンジしてみれば、って言っちゃうと思います」
本人のやりたいことを確認する。
本人の可能性を本人に知ってもらえるようにする。
そういったことを大事にしている。

目標より人をめがけたマネージメント

「これまでマネージメントしてきたのは女性が多かったんです」
営業のことより別の悩みを抱えていた。
モチベーションの上げ方だ。
プライベートがモチベーションに影響していることもあった。
「話を聴きましたね。やりたいことや、本人が今ぶつかっている悩みなんかをとにかく聴きました」
気持ち面にフォーカスしていた。

「事に向かうより人に向かう方が成果が伸びると思うんですよ」
どういうことだろう。
「事に向かうというのは、営業の場合は売上目標や受注率。それは自分がマネージャーとして背負えばいいことで、下についた子たちがのびのび働ける環境を作ったり話を聴いたりすると、勝手に彼らは頑張ってくれるんですよ。そうすると自然体で目標を達成できるというのが自分のマネージメントとしてあります」

角本さん写真

マネージメントは信頼関係で成り立つ

もちろん、目標に対する数字の管理もする。
成果が出ない場合の介入もある。
「でも、そこに信頼関係が無い限りは、何を言ってもあまり効果が無いというのは自分の経験として大きかったです」
管理的なマネージメントの仕方は向いてない?
「そうですね。自分はどちらかというと、自分を理解してもらって、チームで一緒にやっていこうというチーム感みたいなものを作っていくほうがいいですね。これまで下についた子たちにもそのスタイルを求められていた感じはあります」
ついてきてくれた人たちにフィットするマネージメントができていた。

楽しく働いているほうが結果を残しやすい

「ひとりで営業してます!みたいなやり方はしてなかったんですよ。むしろ、つまらなそうに仕事しているのをとにかく解消するというか。”みんなでひとつの目標に向かっているなかで貢献できる何かを1つでもやっていこう”と声をかけて、”そういってくれてよかった。また頑張ります!”となるようなやり方をしてました」
一言で言って、大味なマネージメントだ。
その方が、細かな点の指摘で汲々とするより、気持ちに余裕が出る。

角本さん写真

角本さんは、結果だけで人を怒らない人にも見える。
「そうですね。あんまり怒らないですね。売れないときは売れないと思っているので。楽しく働いている方がみんな結果を残してくれると思って仕事をしているほうが多いですね。期待してあげるのが大事だなと思います」
チーム全体の良い雰囲気を作る。
楽しみながら仕事ができる。
メンバーがチームとして互いに補い合う。
角本さんはそういうマネージメントをしてきた。
「その方が自分も成果を残しやすかったですね」

▼角本さんのインタビュー続編はこちら
自ら開発、営業、受注、運用した商品で成果を挙げた営業エピソード。

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