過去の経験を振り返り今につなげられれば唯一無二の価値ある人間になれる。

過去の経験を振り返り今につなげられれば唯一無二の価値ある人間になれる。
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桂 雄人アラン(かつら ゆうとあらん)さん
1991年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、大手広告代理店の株式会社電通に入社し、デジタル部門・クリエイティブ部門に勤務しました。その後、保険代理店の営業職への転職を経て、保険代理店のA&A Consulting株式会社を共同創業し、取締役COOに就任しました。現在は、代表取締役社長。同社を創業してから数年は、徳島県徳島市に本社を置く贈答品事業者のMMHグループにも携わっていました。

アランさんは、経験を通して力をつけてきた。
だから、何事も経験することを大事にしている。
経験することに対する考えを聞いてみた。

経験を得るためには時間もお金も惜しまない。

「電通時代の先輩から冗談で“返事はハイかイエスで”と言われていました」
誰かに誘われたり頼まれたりしたときには基本的に”はい”と答える。
今でもそうしているそうだ。

「誘われたら、忙しくても家に居ても寝ていても”わかりました。行きます”と言っています。そうしたら経験の場がすごく増えるようになりました。多くの人が”いいえ”と答えてもおかしくない状況でも”はい”と言い続けることで凄い場所や仕事、人に繋がるというのが自分の実感です」

経験を圧倒的にしていく。
振り返ってそれをつなげていく。
「それがきちんとできれば、同じくらいの年数生きている人や、仕事のキャリアが同じくらいの人よりも深い考え方ができるようになるのではないかと思います」

桂 雄人アランさん写真

過去の経験を今につなげよう

「まずは経験することが大事です。後になってその経験をして良かったと思えるようにすればいい。リアルタイムでは経験に対する価値やリターンを見いだせないものです。まずは動いたほうがいいです」
経験をとにかく蓄積することを重視している。

「ただ、経験したことが綺麗に一直線につながって、その延長線上で今やっていることに結びつくようなことはあまりないです」

どんな人も何かしらの経験をしている。
その経験を、過去は過去、今は今と切り離して考えるのはもったいない。
「例えば自分は、保険業の経験という意味では転職して1年半程度ですけど、営業する時に考えて伝えている事柄はこれまで生きてきて培ってきた経験があればこそです。そんなふうに自分のこれまでの経験を今につなげられるかどうかで変わってくるものはあると思います」
つながるのではなく、意識してつなげるのだ。

充実感や達成感を得にくい時代。
認められる感覚や自分を信頼する感覚を持ちにくい時代。

だからこそ、どんな経験をしたとしてもその経験を自分の武器に変えることができれば唯一無二の価値ある人間になれる。
今の時代に必要な話である気がする。

(桂さんの価値観を変えた経験は、前回のインタビュー記事「保険の営業職としての価値観に変化をもたらした忘れられないエピソード2つ。」をご覧ください)

気づくという能力

過去の経験を今につなげて価値を見出す。
それには、「気づく」という能力が必要だ。
アランさんはどうやってそれを身に付けたのだろうか。

「父親の仕事の関係で幼少期から色々な場所に引っ越していました」
引越しに伴って学校が変わる。
所属するコミュニティも異なっていく。
国をまたいで生活していた。
人間関係だけでなく、文化も変わる。

「適応力が求められたため、結果的に観察眼が磨かれました。自然と色々な点に気づき、吸収できてきたと思います。あとは誘いを断らない性格になったのも良かったです。仕事だけでなく飲み会にも積極的になることで多くの情報を吸収し、人脈を構築できました」

桂 雄人アランさん写真

AIに負けない営業力を磨き続けたい

もし今、新たに何か商材を扱うなら、どんなものを選ぶだろうか。

「どういう商材を扱うかは時代によって変わるので、特にこれというのはないですね」
しかし、とアランさんは続ける。
「営業マン向けのイベントに行くと、営業に困っている企業が多いことを感じます。良い商材が多いと思うからこそ、これを対人で売り切れる営業がいないのかと驚くこともあります」

優れた商材があっても売ってくれる人がいない。
実はこうしたもったいない課題を抱える企業は多い。

「人間の仕事がAIに取って替わられると言われる時代ですが、イケてる営業職は残ると思うんです。お客様のニーズを顕在化させるのは対面の人間がまだやはり優れているから。そう考えると、課題解決型の営業職の価値はより高まっていくはずで、自分としてはその営業のスキルを磨きあげることによって、仮に営業の仕事がAIに取って替わられても、自分だけは人間の営業として残っているくらいのポジションを築きたいと考えています」

提案型の営業はAIにもできるだろうが、感情の機微に触れ、ニーズを顕在化させる提案型の営業は人間の方が得意だ。
だから人間の営業は残る。
人間の仕事がどんどんなくなっていくと予想される時代に、とても鋭い指摘だ。

桂 雄人アランさん写真

未来のことは分からない

若く才気溢れるアランさん。
これから先、どうなっていくのだろう。

「結論、”わからない”ですね。昔は年初に目標を立てたりしていましたけど、その通りの人生にはなっていません。目標を超えるスピードで駆け抜けてきました。電通を退職するとも思っていなかったですし、保険代理店を起業するとも思っていなかったです。徳島にくることも。想像もしなかった出会いが立て続けに起きています。固執して自分で道筋を立てるよりも、経験や人とのつながりのなかでなんとなくできてくる道に沿って行ったほうがいいんじゃないかと。自分の芯さえぶらさなければ、自分が活躍できる環境を引き寄せられる気がします」

「極論、3年後に宇宙に行っている可能性もゼロでは無いかな」
そういってアランさんは笑った。

▼あわせて読みたい、桂さんのインタビュー記事はこちら
二足のわらじで活躍する20代営業職が語る、見方を変えることの意義。
今も営業活動に活かしている発想力を鍛えられた電通時代の思い出。
保険の営業職としての価値観に変化をもたらした忘れられないエピソード2つ。 

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